2021 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative Evaluation and Phenomena of Heat Transport and Internal Flow in Environmentally Green Micro Heat Transport Devices
Project/Area Number |
21K03926
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
齋藤 博史 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (40401450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 章 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60239522)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 伝熱機器 / 気液二相流 / 可視化 / 熱工学 / 流体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の並列細管熱輸送デバイスは,作動流体の相変化を利用した外部動力を必要としないパッシブ型の沸騰駆動熱輸送デバイスであり,既存の蛇行細管型ループヒートパイプと異なり,細管部の他にヘッダ構造を持つことで内部流動の自由度を高め,蛇行細管型と比べ高い実効熱伝導率と高い熱輸送量を有している点にある.これまでにデバイスサイズや作動流体の種類などを変化させ,熱輸送量と内部流動の同時計測を行い,熱輸送量と流動様式の関係など,熱輸送特性を調査してきた.本課題では,その仕組みを利用した高まる小空間での冷却ニーズに対応できる高熱輸送量熱移送システムを実現する為,環境負荷を配慮した環境対応型冷媒を用いた薄型マイクロ並列細管熱輸送デバイスの開発,及び相変化を伴う気液二相流の流動伝熱特性の定量的評価と現象解明を目的とする. 初年度は基本形状となる加熱・冷却ヘッダとヘッダ間を繋ぐ矩形溝型複数細管流路をもつテストコアに,作動流体であるアルコール水溶液を脱気封入した内部流動の可視化が可能なプレート型並列細管熱輸送デバイスと,環境対応型高圧冷媒にも耐えることができる銅パイプを用いヘッダ部と細管部を構成したパイプ型並列細管熱輸送デバイスを製作した.実験はプレート型並列細管熱輸送デバイスの加熱部を,セラミックヒーターにより全体もしくは局所加熱し,冷却部は冷却水の循環により冷却する.熱輸送量の計測と同時に高速度カメラを用いた内部流動の可視化を行い,熱輸送デバイスの熱輸送性能評価と,内部流動の可視化画像に対し画像処理による内部流動様式の判定を行い,内部流動様式の時空間分布と熱輸送性能の相関関係について調べた.その結果,加熱面積および加熱位置,加熱量により内部流動パターンや細管ごとの流動様式の出現割合が変化することや,高熱輸送量が確認された条件では細管部の流れが振動流を伴う一方向流循環流が現れることが確認された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は金属板への溝加工によって作成した矩形溝型複数細管型テストコア(細管流路断面積1.0×4.0平方mm,細管長さ100mm,細管本数12本,ヘッダ断面積1.0×6.0平方mm,ヘッダ幅72mm)を用い,実験は鉛直設置条件で行い,作動流体には2-プロパノール 50%水溶液を用い封入率50%で伝熱実験および内部流動の可視化実験を行った.加熱ヘッダ部の加熱は大小2種類のセラミックヒーターを用い,加熱ヘッダ部全体を覆う先行研究の温水加熱と同じ加熱領域の条件設定と,小型ヒーター1枚を用い加熱ヘッダ部の一部を局所加熱し,その加熱位置を変化させた実験条件を設定した.そして熱輸送性能評価と内部流動の可視化画像から画像処理による内部流動様式の判定を行い,熱輸送特性評価を行った.実験結果より全体加熱の場合はすべての細管部で相変化を伴う振動流が生じ,その流動様式の出現割合は細管ごとの違いは見られず,それに対し局所加熱の場合は,加熱位置に応じ流動様式の出現割合が変化するとともに,全体加熱では見られない振動流を伴う一方向循環流が生じ,同一加熱熱流束の場合にヒーター直下の加熱壁温度が低く保たれることがわかった.高圧冷媒を用いるパイプ型については気密性の確保が難しく,現在,その構造及び製作方法の見直しを行っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
並列細管型熱輸送デバイスのテストコアの幾何学的形状寸法を変更したテストコアを製作し,作動流体の種類,封入率,加熱量,加熱位置,設置角度などの種々の実験条件を変化させ実験を行う.各実験条件における熱輸送性能評価と内部流動様式の出現時間割合をデータベース化して,相変化を伴う気液二相流の流動伝熱特性を明らかにしていく.そして内部流動様式の判定の精度をより向上させるため,機械学習を用いた画像処理の適用を試すなど,データベースの高精度化を目指す.また,パイプ型については基本構造のデバイスを用いた伝熱実験を開始する.
|
Causes of Carryover |
成果報告のため予定していた学会発表の形態がWEB開催となり,当初予定していた旅費の支出がなくなったためと,分担金として配分した内の一部について,研究分担者が次年度への繰り越しをすることを決めたためで,研究グループとして次年度に予定している物品購入および成果報告のための旅費等への使用を計画している.
|
Research Products
(4 results)