2022 Fiscal Year Research-status Report
連続型確率共振の増幅効果を活かす大スケール振動発電とその基盤技術に関する研究
Project/Area Number |
21K03938
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
趙 希禄 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (30610307)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 確率共振 / 振動発電 / 再生可能エネルギー / 多安定運動システム / ランダム振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)既往の双安定振動エネルギーハーベスティングシステムの発電効率と振動発電の実用化レベルを向上するために、新たな斜め支持型の大スケール双安定振動エネルギーハーベスティングシステムを提案した。弾性ばねと質量ブロックから構成した双安定振動システムを考案し、振動発電ユニットには永久磁石とコイルからなる電磁誘導式振動発電法を適用した。自然界のランダムな加振環境に適用できるように、運動体となる質量ブロックには振動方向以外の自由度を拘束するような真直レールを取り付けることにより、質量ブロックの振動は決められた方向にしか運動できないので、今までの双安定振動エネルギーハーベスティングシステムより、複雑な加振環境に対応する運動安定性は大幅に改善することができた。検証のため、実験室における水槽実験を実施して、実際の自然環境のランダム加振条件を模擬した加振実験を行い、提案した双安定振動エネルギーハーベスティングシステムの確率共振による増幅効果と振動発電性能を検証できた。得られた研究成果をまとめて、海外の学術誌に査読付き論文を1篇投稿し掲載された。 (2)既往の研究で取り扱う双安定振動エネルギーハーベスティングシステムの重心が高く、設置スペースが狭い振動発電条件に適用できない問題が存在している。この種の実用問題に対して、本研究では、新たな水平対向式双安定振動エネルギーハーベスティングシステムを提案した。運動体となる質量ブロックに真直レールを取り付けて、質量ブロックの振動を1方向に拘束させることによって、振動エネルギーハーベスティングシステムの運動安定性を確保することができた。実際に提案した水対向式双安定振動エネルギーハーベスティングシステムを使い、検証加振実験を行った結果、振動発電システムの妥当性と有効性が検証できた。得られた研究成果をまとめて、海外の学術誌に査読付き論文を2篇投稿し掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)基礎理論の面では、新たに提案した斜め支持型大スケール双安定振動システムと水平対向型双安定振動システムの運動支配方程式を立て、弾性ポテンシャルエネルギー分布特性を分析したうえで、全振動範囲にわたる双安定振動特性を持つことを証明した。また確率共振を引き起こす周期的加振周波数の予測式を導出した。今後の実用化展開に有益な研究基礎を備えている。 (2)検証実験の面では、新たに提案した2種類の双安定振動エネルギーハーベスティングシステムに対して、それぞれ検証実験装置を開発して、詳細な検証実験を実施して、確率共振による増幅効果と振動発電特性を検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度なので、今までの研究開発で得た成果を整理することを中心に進めて行く。基礎理論結果を系統化するように再整理する。検証実験成果を確認して、部分的には再度検証実験を行い、実験研究成果について詳細な検討を行う。関連成果を学術論文に整理し学術誌に投稿する。理論と実験の両面から、最終報告書をまとめて行くよていである。
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Causes of Carryover |
研究成果を論文にまとめて、海外の学術誌に投稿するための掲載料とした予算である。
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