2023 Fiscal Year Annual Research Report
大移動量を可能とする対向面磁石列配置によるパラメカの高速高精度位置決め装置の開発
Project/Area Number |
21K03941
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
田中 淑晴 大同大学, 工学部, 教授 (70455137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 智哉 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (20332067)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 位置決め / 磁気歯車 / パラレルメカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に用いられる三次元座標測定機や加工機の機構は,三軸直交座標形機構がほとんどであるが,これ以上の高速化や高精度化が困難となっている.そこで,パラレルメカニズムに着目した.しかし,パラレルメカニズムも作業領域が狭いという問題を抱えており,さらなる高速化や高精度化に対しても課題を残す.そこで本研究では,パラレルメカニズムの直動ジョイント部に磁気歯車と磁石板を用いた非接触による動力伝達機構を採用し,高速化と高精度を目指す.最終年度の研究として,一面磁石列配置のパラメカ装置の構築,位置決め時の挙動の把握,磁気力特有の特性を考慮した位置決め制御の効果検証を行った.パラメカ装置の構築では,プラットフォームの天板の重量が大きく磁気歯車と磁石板間で脱調し,位置決め制御ができず,軽量化のため樹脂板に変更すると剛性不足によってたわみが生じるトラブルが発生したが,質量と剛性のバランスを考慮した天板とすることで解決に至った.また,位置決め時の制御パラメータの決定法においては,周波数応答特性,CHR法,ステップ応答法などを参考にPID制御のパラメータを決定した.位置決め時の挙動把握では目標回転角を小さい2°と大きい30°の二種類にて実施した.回転角が小さい2°では,磁気力によるヒステリシスのような現象が顕著に表れた.また,姿勢変化に伴って各直動ジョイントに負荷される重量が変化し,制御特性にばらつきが生じることも確認できた.特性を考慮した位置決め制御においては,飽和特性などの制御器を挿入することによって,安定的な位置決め制御を実施することが可能となった.しかし,前述したようにパラメカの姿勢によっては直動ジョイントへの負荷の変化が大きくなると,制御しにくい状態が生じることがあった.
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Research Products
(1 results)