2023 Fiscal Year Annual Research Report
MEME chemical sensor for continuous measurement of density change
Project/Area Number |
21K03950
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
野田 堅太郎 富山県立大学, 工学部, 講師 (00547482)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | MEMS / SPRセンサ / 電気再生法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初今年度予定としてはSPR(表面プラズモン共鳴)計測デバイス上に形成したナフィオン膜に対する電気再生を施し、ナフィオン膜への陽イオンの電気的な吸脱着をSPR法を用いてリアルタイムに計測する方法の確立を検討していたものの、昨年度までの試行によって電気再生のために印加する電圧によって発生する電気分解が生じることが確認された。この電気分解の影響のためにSPR値が大きく変動し、SPR角度の変動を連続的に観測しようとした際に、出力にサチレーションを引き起こしてしまうことが想定された。このため当初予定を変更し、より幅広いSPR角度のシフトを計測することが可能なSPR計測方法の実現と光学系の試作、ならびにエタノール試液を用いた濃度変化の計測を行った。従来の反射光強度の変化に基づくSPR角度のリアルタイム計測方法では、SPR角度が大きく変動する場合、反射光強度が一定となり、SPR角度がどの程度シフトしたのかを十分追従することができない。そこで実現方法では、試液の濃度変化に伴うSPR角度の変化に追従して励起光の入射角度を走査し、常にSPRを追従するように入射光角度を調整するフィードバックを行い、有効性を検証した。このフィードバック制御によって数十%程度のエタノール試液の濃度変化によって生じたSPR角度変化をリアルタイムで計測することが可能となることが確認でき、この方法を取り入れることで電気分解によるイオン交換膜の膜質変化に伴うSPR角度のシフトを計測することが可能になるものと考える。またSPRセンサによる化学量計測を行うためのサンプルとして、イオン交換膜以外のイオン計測方法としてイオン液体をゲル化した材料の有効性の検証ならびに化学物質濃度の調整実験系の試作を進め、化学量評価方法の向上に努めた。
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