2023 Fiscal Year Annual Research Report
光コヒーレンストモグラフィーを用いた速度場のマイクロ断層計測法の開発
Project/Area Number |
21K03951
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
中道 友 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 助教 (70586164)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光コヒーレンストモグラフィー(OCT) / ドップラーOCT / OCTアンギオグラフィー / 機械学習 / 速度場 / 流れ場 / 生体診断 / 非破壊検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は光で対象の断層構造をマイクロ可視化する手法であり,生体組織診断や工業製品の非破壊検査に利用が進んでいる.これらの計測において対象の速度場をマイクロ計測することは,両者の診断・検査精度の向上だけでなく生体組織や工業製品に生じる疾患・欠陥の発生メカニズムを解明する鍵にもなり得る.そこで本研究では,OCTを用い対象の速度場を3次元マイクロ計測する手法(DROCV)の開発を目的とし,① DROCVを実施可能なOCTシステムの構築,② 流体の流れ場の3次元計測,③ 工業製品の振動特性の3次元計測を行い,DROCVの確立を目指した. これまでの研究において,深さ信号測定レートが最大145 kHzのスペクトラルドメインOCT計測システムを構築し,① DROCVを実施可能なOCTシステムの構築を完了した.また,機械学習を利用したDROCVアルゴリズムを開発し,生体模擬試料およびヒト皮膚の毛細血管を対象とした実験を行った.その結果,生体模擬試料,ヒト皮膚毛細血管ともに流速と流れ角度を定量的に検出可能であることを示し,② 流体の流れ場の3次元計測も達成できた.③ 工業製品の振動特性の3次元計測についても,ステッピングモータにより回転するゴムローラを計測対象とした実験を行い,ゴムローラの回転速度および回転方向が定量的に検出できることを示すとともに,ステッピングモータへの入力パルス間隔に起因する微小な回転速度変動も検出可能であることを示した.以上の結果より,DROCVは生体組織,工業製品ともに適用可能な3次元速度場計測手法であることが示され,生体診断や工業製品の非破壊検査,振動特性計測に応用が期待できる技術であると言える. 研究期間内で得られた成果については,査読付国際論文誌4件,国際学会2件,国内学会6件の成果発表を行った.
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