2021 Fiscal Year Research-status Report
無重力下と重力下での粉粒体ダンパの状態遷移を特徴づけるパラメータの統一的理解
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21K03959
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
若生 潤一 都城工業高等専門学校, 一般科目理科, 教授 (50353355)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 粉粒体ダンパ / 離散要素法シミュレーション / 1粒子モデル / 気体分子運動論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、重力下および無重力下において加振された粉粒体ダンパ中の粉粒体の状態遷移についての統一的な理解を得るために、離散要素法を用いた数値シミュレーションを実施する。これまでに数値シミュレーションプログラムを完成させ、現在そのテストを実施している段階である。先行研究における同様の系のシミュレーション結果と矛盾のない結果が得られることを確認した上で、本研究の主題である粉粒体の状態遷移についての、粒子半径、反発係数、加振の振幅、振動数等のパラメータを広範囲に変えた大規模シミュレーションを実施する予定である。 今後はまず、より理論的な取り扱いが簡単な無重力下の粉粒体ダンパの状態遷移について研究する。加振の振幅が小さいときの粉粒体が高密度の層をつくる状態について、1粒子モデルに基づく理論的解析による予測との比較を行う。また、加振の振幅を大きくしていったときに現れる粉粒体が容器全体に広がった気体的状態について、粉粒体用に修正された気体分子運動論を用いた理論的解析による予測との比較を行う。 次に、重力下の粉粒体ダンパの状態遷移についても、同様に加振の振幅を大きくしていったときに起こる粉体層が底面近傍で弾んでいる状態から、高密度層が低密度層の上に乗っている密度反転状態への遷移を、各種パラメータを広範囲に変えたシミュレーションにより調べ、遷移を特徴づける制御パラメータを明らかにする。 最終的に、無重力下、重力下での加振された粉粒体の状態遷移の研究成果を統合し、重力の有無に関わらず、粉粒体ダンパが加振された時の粉粒体の振る舞いを統一的に理解することを目指す。 これまでに既に大規模シミュレーションを実施するための計算サーバーを購入し、ハード・ソフト両面における計算環境を整え、安定的に運用することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算サーバーの購入および計算環境の整備に想定以上の時間がかかってしまった。また、離散要素法を用いた数値シミュレーションプログラムの作成にも想定よりも時間がかかってしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」においても述べたように、今後はまず、より理論的な取り扱いが簡単な無重力下の粉粒体ダンパの状態遷移について研究する。数値シミュレーションを行うとともに、1粒子モデルや気体分子運動論に基づく理論的解析も行い、両者の比較を行っていく。次に、重力下の粉粒体ダンパの状態遷移についても同様の手法により研究する。最終的に、無重力下、重力下での加振された粉粒体の状態遷移の研究成果を統合し、重力の有無に関わらず、粉粒体ダンパが加振された時の粉粒体の振る舞いを統一的に理解する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会等への出張を控えざるを得なかったことが主な理由である。
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