2023 Fiscal Year Annual Research Report
衝突安全性と機敏な接触安定性を兼ね備えたロボットアーム用関節機構
Project/Area Number |
21K03961
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
相山 康道 筑波大学, システム情報系, 教授 (60272374)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 可変剛性機構 / 衝突安全性 / ロボット / 接触安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である令和5年度は,新たな可変剛性機構の開発に成功した.昨年度まではスムーズな動きにより,空気圧に対しほぼ線形な剛性を有するが剛性がかなり低い機構であった.これに対し,蛇腹という剛性の低い空気袋を使うのではなく,ゴムホースをつぶす方向で使うことで剛性の高い空気袋を採用したこと,弾性部の可動範囲を90度から狭めることで角度変位に対する空気袋の体積変化率を増加させるとともに,一つの機構の中に複数の弾性部を入れられるようになったこと,から,剛性を以前のもの40倍程度に上げることができた.さらに空気圧も0.3MPaが限界だったものが0.5MPaまで可能となり,さらに高い剛性が実現できた. この機構を使った1自由度ロボットアームを作製し,衝突時の撃力減少の効果とゴムホースの粘性を利用した振動抑制性能のモデル化および実機実験による検証を行った.まず衝突時の撃力はばね(弾性機構)より先の質量のみが影響するため,弾性部が入ることにより撃力の大きさを減少させることができる.また衝突後の接触力も弾性部が入ることにより大きく低下させることができる. 弾性部があると,衝突後に跳ね返り振動を起こすことがある.衝突を利用したテキパキとしたピックアンドプレイスを行う場合にはこの跳ね返りは大きな時間のロスとなる.これに対し,アームの目標位置を接触位置よりもさらに進んだ位置にして押し付け力をわざと発生させるような軌道生成,制御を行うと,短時間で跳ね返りはなくなり安定しやすくなることをモデル及び実機実験により示すことに成功した.
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