2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Gaze-driven Image Presentation on Automotive HUDs
Project/Area Number |
21K03964
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 聖 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40432596)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / 視線解析 / 固視検出 / 自動較正 / 注視対象判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,車載の窓型透明ディスプレイを対象に,利用者の三次元的な注視位置を推定し,これに基づき提示するAR像を変化させることで視認性を向上させる技術の確立である.目的達成のために,次の課題をこれまでに実施した. A)車窓ディスプレイのための三次元注視位置センシング: (A-1) 視線検出器の自動較正法:利用者に特定の動作を課さずに,自動的に視線検出器を較正する手法を開発した.開発した手法では,環境の三次元モデルとと視線の交点(注視点)を算出し,較正された視線の注視点は,固視中に密集する性質から,このばらつきを最小化する最適化問題として較正パラメータを推定する.バーチャルリアリティ(VR)環境において本手法が,顕著性に基づく従来法に比べて精度が高く,頭部の18m程度並進移動により較正精度が収束することを確認した. (A-2) 中遠景の重畳像に対応した三次元注視位置センシング:並進移動する車両内にいる利用者が透明ディスプレイを介してAR像と実風景との混合像をみる際の,三次元注視位置を推定する手法を開発した.本手法では,注視対象上の各座標系において固視を検出することで,視線が密集する瞬間をとらえる.VR環境を用いた実験において,輻輳角を用いた従来法よりも注視対象の判定精度が高いこと,および車両の速度により最適な固視検出の閾値が変化することを明らかにした. B) 三次元注視位置に基づく重畳像の高視認性レンダリング:三次元注視位置の推定結果をもとにAR像を注視する場合は,AR像の視認性を高め,実風景を注視する場合はAR像の一部の透過率を高めて実風景の視認性が向上するよう像を提示する手法を開発した.開発した手法では,非注視対象の存在を完全に消してしまわないよう,AR像をメッシュ状に加工して提示する.バーチャルリアリティ環境を用いた実験により,両者の視認性が向上することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,初年度は仮想環境で実験を行い,次年度以降に実環境に近い環境に移行する予定だった.本年度は計画通り,仮想環境内で実環境と近い条件を設定して提案法の性質を良く詳しく調べることに成功した.
具体的には,(A-1)の視線検出器の自動較正法においては,自動較正精度の収束条件を明らかにすることで,較正の計算をいつ打ち切るかを決めるための指標が得られた. (A-2)の三次元注視位置センシングにおいては,車両速度が変化した場合の最適な固視検出用の閾値を導出することで,実環境のように車両速度が一定でない場合においても適用できる手法に拡張した. 一方(B)については昨年度に対して新たな成果は得られなかった. 以上を踏まえて概ね順調に進展していると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,より実環境に近い条件にするために,視線計測器搭載の光学透過型のARヘッドマウントディスプレイを用いた課題(A-1)および(A-2)の実験に加えて,課題(A-2)と(B)を組み合わせたシステムの有効性検証に取り組む.
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Research Products
(4 results)