2021 Fiscal Year Research-status Report
可視光から近赤外光域における波長分散とBPF絞りを用いたアオリ撮像による距離推定
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21K03974
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
池岡 宏 福山大学, 工学部, 准教授 (20579966)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 距離推定 / アオリ光学系 / カラーフィルタ絞り / BPF絞り / 赤外光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベースとなるアオリ光学系を用いた距離推定技術の雑音対策を行うことで更なる高精度化を進めた。これは、本研究課題のメインテーマである帯域フィルタ絞り(BPF絞り)を用いた距離推定処理のフロー前段における非常に重要かつ根本的な課題であり、今後の実用化に向けて避けて通れない課題でもある。実際に、本課題において非常に効果的な解決方法を提案できる可能性があることがわかってきた。なお、グリーンフィルタによる帯域制限を用いた距離推定に関する実験については、引き続き継続実施しているところである。また、補足的な研究テーマとして、エッジの存在しない平坦部に関する距離情報の取得(補間方法)について検討した。本提案方式であるアオリ光学系による距離推定方式はDepth-from-Defocusの原理に基づくものであるため、距離に応じて画素値が変化するエッジ部の画素のみが距離推定対象領域となっている。したがって、最終的に距離マップとして出力するには、平坦部の距離推定を実現する補間処理が必須となっているため、この検討作業を重視している。 また、AIを用いた自発給餌システムの開発に携わっており、その中で養殖水槽内における魚の分布を把握することを目的として、アオリ光学系を用いた距離推定技術の利用について検討を行った。具体的には、深さ1m程度の水槽真上に設置したカメラから水槽内の魚の位置を3次元情報として取得するために利用する。この情報を後段のAIに送り、水槽内の水質維持と養殖魚の早期出荷という相反する目的のバランスを維持し、精度の高い給餌を実現することを目指している。特に水質の濁りの影響を除去するために赤外光に対するBPF絞りの活用を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの対応により、十分な研究活動を行う時間が確保できなかったことが最大の理由である。たとえば、遠隔授業実施に伴い大量の自習用動画の準備や学習意欲の低下した学生支援等、研究外業務の急激な増加の影響が非常に大きい。また、コロナウイルス感染防止に伴う出校制限も大きく響いた。実際、学生による学会参加のため原稿投稿や発表準備もリモート対応で実施しなくてはならず、ちょっとした意見交換等にさえ非常に無駄な手間と時間を費やした。以上のように、研究そのものに起因した遅延ではなく、新型コロナウイルスを原因とするエフォートの低下にある。
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Strategy for Future Research Activity |
出校制限も限定的となってきたことから、協力学生との連携を強化する。特に、赤外光を利用してのアオリ光学系による距離推定の実験に注力するため、この領域に焦点を当てた調査及び実験を重点的に進める予定である。また、応用先として養殖水槽中の魚の分布を捉えるために、本提案方式であるアオリ光学系を使った距離推定の利用検討を進めており、この検討結果についてもできるだけ早急に回答を出す予定である。加えて、本年度は国際会議も含めた2件以上の学会発表を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、実験環境の構築に遅れが生じたことに加え、学会発表における旅費が消化できなかったためである。次年度以降に、新型コロナウイルスによる研究活動の制限が緩和されれば、上記のような問題は解決し、積極的な研究活動による研究費の利用に進展があると考えている
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