2021 Fiscal Year Research-status Report
空間情報と知識情報を制御入力として活用する知能化パーソナルモビリティの研究
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21K03976
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 太久磨 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10847106)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パーソナルモビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,一人乗りの電動小型低速移動体であるパーソナルモビリティを対象とし,見通しの悪い路地での周辺交通参加者との出会い頭事故防止のための自動制御技術の開発を目的としている.自動制御のためには周辺走行環境の認識が必要となるが,従来は車載センサのみを活用した認識技術が多く扱われていたが,その限界も確認されていた.そこで本研究では,車両外部のセンサから観測された空間情報やデータの蓄積に基づく知識情報を,時系列の車載センサ情報と等価な形で統合的に制御に活用するための方法論の確立に取り組む.この取り組みによって,従来の研究では活用が不十分であった空間情報や知識情報をより積極的に活用し,外部との情報の共有や周辺状況の予測に基づいて自由度の高い車両制御が可能となる事が期待される. 今年度は,車載センサ情報と空間情報の統合活用アルゴリズムの開発に取り組んだ.先ず,本研究で想定している生活道路環境での交通参加者の移動を模擬するシミュレータを構築した.そして,そのシミュレータ内で車両に搭載した様々なセンサの情報と道路側に設置したセンサの情報とを統合するために,カルマンフィルタをベースにした新たな情報統合手法を構築した.また,この様なシステムを実機で検証するために,エッジシステムの試作検討を行った.今後は,提案したアルゴリズムを実機・実空間で検証し,パーソナルモビリティの車両制御へとつなげていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,新型コロナウイルス感染症の影響によって,大学での研究業務に制限が発生した.また,大学構内への入構制限等は緩和されつつあるが,依然として従来の研究体制の回復は難しい状況が続いていた.また,同影響によってコロナ禍以前には発生していなかった多くの対応業務が発生し,研究に専念できる時間が減少した.これらの理由によって,当初計画よりもやや遅れが発生している.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に検討したアルゴリズムの実機実空間での検証に取り組む.まず,知能化パーソナルモビリティと路側センサを接続するエッジシステムを準備し,知能化パーソナルモビリティ側の判断で減速制御を実行する制御介入システムを構築する.そして,通信遅れやシステムの作動遅れなどを考慮しつつ,実環境の外乱の中でのロバスト性の評価に取り組む.また,車載センサ情報と空間情報の統合に加えて,さらに知識情報を統合するための手法について,まずは机上開発から取り組む予定である.そして,2023年度での実機での評価を見据えて,2022年度中頃から走行環境のデータ収集を開始する予定である.
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Causes of Carryover |
研究全体の遅れによって,予算執行にも遅れが生じている.また,2021年度はコロナ禍の影響によって学会参加等が実施できておらず旅費等が執行出来ていない部分がある.また,半導体不足の影響によって一部の機材が調達できておらず,物件費についても予定通り執行出来ていない部分がある. これらの残額については,当初計画に準拠する形で次年度以降に執行する予定である.
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