2022 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental Study on Risk Resilience Control for Autonomous Driving Based on Driving Environmental Risk Structuration
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21K03977
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
ポンサトーン ラクシンチャラーン 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30397012)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | モビリティ / 自動運転 / リスク予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
交通事故の分析調査によって,日本における自転車関連の死傷事故は8割以上が自動車との事故であり,中でも出会い頭事故の割合が5割以上を占めていることがわかった.現在実用化された衝突被害軽減ブレーキでも,飛び出しを検知してからでは衝突を回避できないという課題が残る.そこで本研究では見通しの悪い交差点での自転車と自動車の出会い頭を対象にして,ビックデータの活用による潜在的な危険箇所の解消を目的とする.ビッグデータに基づいて走行シーンから自転車の飛び出しを予測するドライバモデルの構築を目標とした. 2022年度では,ドライバモデルとしてニューラルネットワークを検討した.予測したいことの模範的な結果(目的変数)を出力層に,この模範解答の原因と考えられる情報(説明変数)を入力層に当てはめて,それらを結びつける隠れ層の最適な関数を算出することでニューラルネットワークを学習させる.未知な事象を予測する際は,この学習したニューラルネットワークに測定可能な説明変数を入力することで,得たい結果(目的変数)を予測することができる. ここでは説明変数を交通環境文脈, 車両位置情報等を使って, 目的変数を減速度余裕ポテンシャル率としてモデリングを行った.構築したドライバモデルを検証した結果、安全かつ円滑な交通を実現する可能性を示した.したがって,2022年度で目標としているドライバの運転行動モデリングについて,ニューラルネットワークによってリスク度合いの予測が可能であるという研究成果が得られた.さらに安全速度を求める算出手法とデータの選別法も探究した.これは,見通し悪い場所の事故を未然に防ぐための自動運転の安全速度制御に重要な成果であり,交通安全向上効果に意義があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蓄積された実路走行データベースに基づいてリスク予測モデルを構築し,データによって安全性が評価できるようになった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後2023年では構築した推定モデルをドライビングシミュレータに組み込み,被験者による実験を通し,ドライバにとって違和感がない支援かどうかの検証を行っていく. 加えて,死角のある走行場面でリスク予測が必要な運転シーンとして,交差点右折場面のドライバモデル分析と支援方策の検討も行う. さらに,人間の状態変化に適合した車両運動制御系を設計する.人間機械協調の進化として,相互に安全運転能力を補完しあえるように,リスクレジリエンスコントロールの制御パラメータをリアルタイムの走行状況と個人の運転状態に適合するシステムを開発していく予定.
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