2022 Fiscal Year Research-status Report
剛柔両部品に適用可能なロボットシステムによる組立作業の難度評価手法の構築
Project/Area Number |
21K03978
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
土橋 宏規 和歌山大学, システム工学部, 講師 (50634490)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 組立作業の難度 / 難度要素 / 実機実験 / 共分散構造分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ロボットシステムによる組立作業を対象とした,剛体部品と柔軟部品のいずれにも適用可能な,組立作業の難度の定量的評価手法の構築を目的としている.令和4年度には,多変量解析の手法による,難度とその要因となる難度要素の因果関係のモデル化を試みた.
はじめに,因果関係の見通しをよくするため,組立作業を対象部品の把持,姿勢遷移,組み付けの三種類の作業工程に分割し,各工程における難度を把持難度,姿勢遷移難度,組付難度としたうえで,組立作業の難度はこれらの総計であると定義した.次に,多変量解析に向け,上述の三種類それぞれの難度についてその難度要素の候補を網羅的に洗い出し,各難度要素の定量的な表現方法を決定した.また,各種の難度は,各作業工程の所要時間およびその成否として実測されるものとした.以上を踏まえ,各難度要素と各種難度との因果関係を想定(仮説)し,これを表現するパス図を作成した.
続いて,多変量解析に必要となる各難度要素の候補の値と各作業工程の所要時間およびその成否のデータ収集のため,ロボットの国際競技会World Robot Summit 2018のものづくりカテゴリーの組立競技の一つである「タスクボード競技」のタスクとその類似タスクを例題として,剛柔両部品を含む複数の組立作業を実際のロボットシステムを用いて行った.ただし,実験の都合上,把持と組み付けの二種類の作業工程のみを対象とするとともに,難度要素についても検証可能なものに限定した.そして,収集したデータを用いて把持難度と組付難度のそれぞれについて共分散構造分析を行った.しかしながら,把持難度と組付難度のいずれについても適切な分析結果を得ることができなかった.検証の結果,これは実験で収集したデータに偏りがあること,また,上述のパス図の作成時に想定した因果関係が適切でない可能性があることが原因であるという結論に至った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように,共分散構造分析の結果,各難度要素と組立作業を構成する各種作業工程の難度との因果関係の仮説を見直す必要性が示唆されたことから,当初の予定よりも進捗が「やや遅れている」状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には,難度要素と難度との因果関係の仮説の見直しに向け,実システムによる組立作業の事例であるWorld Robot Summitのタスクボード競技の競技結果を対象とし,剛柔両部品の把持,姿勢遷移,組み付けの各作業工程の所要時間およびその成否を確認するとともに,難度要素の候補を再検討のうえ,各作業工程の難度との因果関係を再モデル化することを目標とする.
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