2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of lean movements of skilled person and transfer of movements to robots with different physicalities
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21K03984
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
橋本 学 中京大学, 工学部, 教授 (70510832)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動作分析 / 熟練度推定 / 機能認識 / 物体認識 / ロボット動作生成 / 身体性ギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
R4年度は,(1)動作・物体の時空間一括分析法および物体認識汎用化の提案,(2)ヒトとロボットの身体性の違いを埋めるための手法の検討,および,(3)過去の類似パターンを参考にしたロボット動作の効率的生成に関する検討をおこなった. (1)については,Spatial Temporal Graph Convolutional Networks(ST-GCN)をベースとしたスキルレベル識別手法を提案した.手や肘,肘や肩などの関節間のつながりを表現したグラフデータから特徴抽出することができることから,体の関節同士の連動性が重要である熟練者の動作をより正確に捉えることができる.製造現場での頻出動作である把持,組付け,ねじ締めを含む知育玩具の組立データを取得して評価したところ,従来手法であるLSTMとST-GCNを比較した結果,動作データの分割有り,無しのデータに対してLSTM手法は識別率が57%,61%であったのに対し,ST-GCNベースの手法では,88%,95%となり識別率の向上がみられた.なお,データ取得においては,本科研費にて増強した8カメラ式モーションキャプチャシステムを利用した. また,物体認識汎用化としては,3次元対象物に加えて2次元対象物の認識能力を向上させる必要があることから,画像パターンマッチングに関する新手法を開発した. (2)については,人間の手が5指であることに対してロボットでは一般に2指ハンドを使用するという現実を踏まえ,2指での把持に適した把持位置決定アルゴリズムとして,指と対象物の接触面積を考慮した手法を提案した. (3)については,ヒトによるロボット動作の基本パラメータとして,把持位置と作用位置の2つを基本として「機能認識」を利用した手法を検討した.特に,異種部品が混載されている状況への対応法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度は,熟練スキルの分析に関しては,関節間の関係性を考慮した新たなアルゴリズム適用による手法を適用し,有効性を確認することができたことから,着実に遂行できていると判断している.ヒトとロボットの身体性の違いを埋めるための手法の検討については,指に着目した手法の提案,また,過去の類似パターンを参考にしたロボット動作の効率的生成については,対象物の機能を利用した教示パラメータ転移の手法を提案できたことから,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は,まずヒトの動作分析として,昨年度に提案した高精度な識別アルゴリズムの内部構造を分析することにより,熟練者の無駄の無い動きの精緻化をおこなう.具体的には,STA-GCNを適用することにより,熟練者の識別時にネットワークが重要視していた時刻と,その時刻における関節毎の重要度の値を数値的に表現することができることから,これを初心者の作業者と熟練者の作業者で比較分析する.また,昨年度の検討により,入力データとしての動作シーケンスに2種類以上の内容が混在したときには,機械学習ネットワークによる熟練度推定の精度が低下する可能性があることが判明している.これは当初想定していなかった現象であるが,本研究の実際の生産システムへの実装を想定すると改良方策の検討が必要である.2種類以上の内容がデータ上でどのように異なるかを分析したうえで,動画像分析処理を導入し,入力データの事前分類等の前処理を追加することによって,一定の改善を図ることができると考えている.この改善策についても,R5年度に対策を実施する予定である.ヒトとロボットの身体性の違いを埋めるための手法の検討については,ヒトが把持することを教示した部位を参考にしながらも,ロボットが把持すべき部位を適切に自動決定することができる手法を提案し,その性能を実証する予定である.
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Causes of Carryover |
R4年度は人物動作解析に関する研究成果を画像処理関係国際会議にて発表予定であったが,実験の遅れによる発表ができなかったこと,および購入したモーションキャプチャー増強のためのカメラの個数を減らしたため,使用額について,計画との差異が生じた. R5年度はR4年度成果とともに学会発表を計画しているため,旅費として使用するとともに,学会誌への投稿費用,および実験のために必要不可欠な部材購入のための消耗品費として使用する.
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