2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a wide range of motion miniature parallel robot equipped with a ultra small diameter and ultra long lead differential screw mechanism
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21K03987
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
原田 孝 近畿大学, 理工学部, 教授 (80434851)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 差動ネジ機構 / パラレルメカニズム / ミニチュアロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,『極小径超長リード差動ネジ機構を搭載する広可動域ミニチュアパラレルロボットの開発』のブレークスルーとなる,軸径(D)1mm~2mm以下,進み角60度程以上,ネジ長さL/D=20(ネジ長さLが軸径Dの20倍)以上の極小径・超長リード・大アスペクト比差動ネジ機構の開発に取り組んだ. 差動ネジ機構は,ネジ部とナット部で構成される.我々は軸直角断面が正方形の左右ネジのオーバーラップ形状であるネジを用いた2入力2出力の差動駆動機構を提案し,そのネジ形状は建築家Gaudiの設計様式である二重らせん構造に類似しているためにGaudiネジと命名している.Gaudiネジのネジ面の曲率半径は一般的なネジ溝と比較して大きいために,半径の大きいボールエンドミルを用いた切削加工が可能であり,小径化かつ長リード化に適している.小径大アスペクト比の機械部品の切削加工時のたわみを抑制するために,先端部から根元部にかけて荒加工と仕上加工を段階的に行う工法を着想し,高精度5軸マシニングセンタを用いてアルミ合金を切削加工し,正方形断面の1辺2mm,進み角58度,全長40mm(L/D=20)のミニチュアGaudiネジの実加工に成功した.本研究成果に関して,日本機械学会 2021年度年次大会(2021年9月)で講演を行った. また,上記ネジにかみ合う正方形断面の1辺が2mmの右,左ナットの開発を実施した.正方形断面のねじれ溝に沿ってナットを4分割加工して組み合わせる工法を着想し,高精度5軸マシニングセンタを用いてアルミ合金を切削加工した.分割ナットを組込むハウジングは別途光造形3Dプリンタを用いて製造した,製造したナットは上記ミニチュアGaudiネジと組み合わせて差動ネジ機構として動作しうることを検証した.本研究成果に関して,日本機械学会 機素潤滑設計部門講演会 (2021年12月)にて講演を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目的通りに,極小径・超長リード・大アスペクト比差動ネジ機構の開発を行えた.並行して,2022年度の実施計画である極小径・超長リード・大アスペクト比差動ネジ機構を搭載するミニチュアパラレルメカニズムの構想設計も行った.当初計画では,プレートがxyz並進運動を行うDELTAタイプのパラレルメカニズムを2台用意し,プレート上にユニバーサルジョイントを配置してそこに差動ネジを搭載する計画であった.ユニバーサルジョイントは差動ネジを傾斜させる付加機構であるが,これを搭載することでプレート機構が複雑かつサイズが大きくなり,搭載する極小径差動ネジの径も1mm程度の小径化が必要であった.2021年度では,プレート全体を傾斜させ,かつ,小型化に適したパラレルメカニズムを着想し,機構解析までを行った.着想した機構ではプレート上にユニバーサルジョイントなどの付加傾斜機構が不要であり,そのために極小径差動ネジの径も当初計画よりも大きくすることが可能である.なお,着想したパラレルメカニズムは2022年6月に実施される日本機械学会ロボティクスメカトロニクス部門講演会にて講演予定である. 当初計画で2021年度実施予定であった極小径・超長リード・大アスペクト比差動ネジ機構の開発を行い,さらには,2022年度に実施予定であったミニチュアパラレルメカニズムに関して新しい提案を行うことができたために,当初計画以上に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたが,極小径・超長リード・大アスペクト比差動ネジ機構の搭載に適した新しいパラレルメカニズムを着想し,その基本設計と機構解析までを終えている.本機構は研究計画時には着想していなかった新しい機構である.2022年度では,着想した機構を具現化し,本研究の目的である『極小径超長リード差動ネジ機構を搭載する広可動域ミニチュアパラレルロボットの開発』を行う. 着想した機構はミニチュアパラレルロボットだけでなく,通常サイズのパラレルロボットへも展開可能である.研究の主テーマであるミニチュアパラレルロボットの開発にウエイトを置くが,並行して通常サイズのパラレルロボットの開発にも取り組んでいく考えである.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で電気部品・機械部品の国際的な納期が大幅に長くなった.大凡の予算(計画の約90%)は年度内に使用したが,一部の研究用の機械部品の年度内の納品が困難であることが判明し,次年度に繰り越して購入することとした.
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Research Products
(6 results)