2021 Fiscal Year Research-status Report
Robut Supply and Demand Control Manager for Realizing A Microgrid
Project/Area Number |
21K04002
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 豊 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (10511561)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電力システム / マイクログリッド / エネルギー管理システム / 電力需給制御マネージャ / 再生可能エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー(再エネ)大量導入や大規模自然災害に直面する近年の電力システム工学分野では,持続的な供給安定性や需給調整力の確保を目的としたハードウェア(同期化力インバータ)およびソフトウェア(エネルギー管理システム:EMS)に関する研究開発が広く行われている。一方で,電力システムを構成する個々の要素技術とそれらを効率的に運用するためのシステムの高度化や,再エネ変動や災害時に対する信頼度の維持に関する検討は継続して重要な課題である。本研究では,再エネ・インバータ型電源を含むマイクログリッド(MG)の電力需給制御に着目し,「経済性および安定性を継続的に確保する運用管理手法」と「災害時における緊急時最適需給制御手法」の実現を主な目的として,(i) 需給管理を一括して行うロバスト需給制御マネージャの開発とその機能検証,(ii) 災害時,確実に需給不均衡を解決する緊急時対応MG-EMSのシステム構築を行う。これより,システムの信頼性と経済性の双方を実現するロバストな電力需給管理手法とEMSの最適設計を目指す。まず、2021年度には、上記項目(i)に対応する需給マネージャの機能改良と不確定性モデルの組み込み、および項目(ii)に対応する平常時・緊急時需給アルゴリズムの開発を行った。需給制御断面において、前日需給計画時には、ロバスト最適化手法とインフォギャップ理論を組み合わせた不確定性に対してMG運用者が柔軟に意思決定できる手法を考案した。さらに、当日需給運用時については、需要家側のデマンドレスポンス(DR)に対するリソースを最大限に活用するリアルタイム需給配分手法を提案した。次年度以降は、これらの部分開発システムの統合を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初計画では,再エネ・インバータ型電源を含むマイクログリッド(MG)の電力需給制御について,(i) 需給管理を一括して行うロバスト需給制御マネージャの開発とその機能検証,(ii) 災害時,確実に需給不均衡を解決する緊急時対応MG-EMSのシステム構築を実施するとして、各年度で詳細実施項目を計画した。2021年度は、当初の計画通り、アルゴリズムの開発を行うことができ、オンラインではあったが、国内・国際会議において研究成果を公表することができた。そのため、2021年度の研究は、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までに、需給制御マネージャの各機能改良を実施し、単独機能でも安定的かつ経済的に運用管理するアルゴリズムを構築することができている。今後、各機能からなる部分システムのさらなる動作検証後、全体システムとの協調最適化を行いながら、最終目的としているマイクログリッド実現に向けたロバスト電力需給制御マネージャを完成させる。インバータ実機などを今後用いて、再エネ・インバータ型電源へリアルタイムに出力させるインターフェースの検討、研究室MGにおいて、本マネージャの実運用における有用性についても明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により、当初計画していた国内会議での発表がオンラインに変更となり現地への出張旅費が不要となった。今後、対面形式での学会も徐々に増えてきているため、2022年度以降の学会での出張旅費として計上したい。
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Research Products
(26 results)