2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Active Species Produced in Plasma Treated Solutions and Their Effect on Human T Cells
Project/Area Number |
21K04003
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺西 研二 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (80435403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 昭博 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (40380117)
岡久 稔也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (60304515)
曽我部 正弘 徳島大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (60732790)
中川 忠彦 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (40634275)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 放電プラズマ / 炎症性腸疾患 / 活性酸素種 / 活性窒素種 / ヒトT細胞 / プラズマ照射溶液 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施したアルゴンガスに微量の窒素ガスを添加した実験の結果を受けて,今年度はアルゴンガス80%に窒素ガスを20%添加した放電ガス(Ar-N2)と,アルゴンガス80%に空気を20%添加した放電ガス(Ar-Air)を用いて生理食塩水に対してプラズマを照射し,活性酸素種と活性窒素種の生成特性について調査した。生理食塩水16 mLに対して誘電体バリア放電を15分間照射し,照射後の溶液に対して過酸化水素と亜硝酸イオン,硝酸イオンの濃度をパックテストとディジタルパックテストを併用して測定した。これらの活性種濃度をプラズマへの投入電力(放電電力)の大きさを変えて測定した。 放電ガスAr-N2,Ar-Airどちらの場合も放電電力を増加させると過酸化水素濃度は増加し,放電ガスAr-Airの方が過酸化水素濃度は高くなった。亜硝酸イオン濃度については,放電ガスAr-N2では放電電力増加に伴い増加するが,放電ガスAr-Airでは放電電力を増加させると亜硝酸イオン濃度は飽和し減少する特性を示した。硝酸イオン濃度は放電Ar-N2においていずれの放電電力においても検出限界以下となり,放電ガスAr-Airでは,特に亜硝酸イオンの濃度が飽和から減少に転じる放電電力以上で硝酸イオン濃度が急増した。これらの結果は,Arに添加するガスの種類や放電電力を変えることで,亜硝酸イオンや硝酸イオンの生成を調整できる可能性を示唆しており,今後はこれらの生成特性を踏まえて活性窒素種がJurkat細胞に及ぼす影響について詳細に検討したいと考えている。 以上,3年間にわたり本研究課題を遂行することで,放電プラズマ処理した生理食塩水がJurkat細胞に及ぼす影響や生理食塩水に誘電体バリア放電プラズマを照射した際の放電特性,アルゴンガスに窒素や空気を添加した際の活性酸素種・窒素種の生成特性を中心に明らかにすることができた。
|
Research Products
(2 results)