2021 Fiscal Year Research-status Report
直流絶縁破壊と空間電荷特性で解き明かす電気絶縁材料の新たな積層界面影響メカニズム
Project/Area Number |
21K04011
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
光本 真一 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 教授 (40321492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗本 宗明 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (70580546)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電力機器 / 固体高分子 / 空間電荷 / 電気伝導 / 3Dプリンタ |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー社会の実現および電力需要の増加に対応するため,電力ケーブルをはじめとする電力機器の大容量化および高信頼化が進められている.また現在主流となっている交流電力送電をHVDC送電に置き換えることができれば,充電電流等による損失が払拭され,エネルギー損失を小さくすることが可能になる. しかし電力機器に使用される固体絶縁材料では,HVDC印加時に空間電荷が材料界面等の欠陥に蓄積し局所電界が集中する箇所が弱点になる可能性がある. 最近,3Dプリンタ技術がさまざまな材料を成形できるようになり注目を集めている.3Dプリンタを用いて複雑な形状の電気絶縁材料の製作が行われた場合,これらの有効性を検討するため,空間電荷蓄積および直流絶縁破壊に及ぼす影響を解明することが重要である.今年度は,試料の材料として,アクリルエラストマーを用いた.試料厚さは1 mm程度であり,積層した一層の高さは0.1 mmおよび0.05mm である.積層方向は,シート面に対して水平(試料H)である.また積層面を含まない試料も作成した(試料N).試料N,試料H-0.1(ピッチ0.1mm)および試料H-0.05(ピッチ0.05mm)の3種類の試料に,10kV/mmの電界を印加することで,空間電荷蓄積の効果を調査した. 試料Nにおける空間電荷分布から,印加電界が大きくなるにしたがって,陰極付近に形成される正極性の空間電荷密度が大きくなった. 一層が0.1mmの試料H-0.1における空間電荷分布は,正極性の空間電荷が確認されたが,それらは陽極側に多く分布していることが確認された.また、一層が0.05mmの試料H-0.05における空間電荷分布は,正極性の空間電荷が同様に観測されたが,それらは試料全体に広く分布していることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,3Dプリンタを用いて実験試料を作成することと,作製された試料を用いて空間電荷測定が可能であるかどうか検討することを目的として研究を進めてきた. 結果として,電極印加面に対して積層面が水平(試料H)であり,積層厚さを制御することのできる試料を3Dプリンタを利用して製作することができた.また,作製された試料を用いて空間電荷測定を行なった. 実験結果としては,電極印加面に対して積層方向が平行である試料Hの積層厚さによって形成される空間電荷分布が変化する結果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,電極印加面に対して積層面が水平(試料H)であり,積層厚さの異なる試料をアクリルエラストマー以外で作成するとともに,空間電荷蓄積に対して違いが現れるかどうか検討していく予定である.
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Causes of Carryover |
参加を予定した学会がオンライン開催になったため,予定していた旅費相当分を次年度分として使用予定とする.現時点では,学会参加旅費に充当したいと考えている.
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Research Products
(5 results)