2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of highly stable wireless power transfer system for implantable medical devices
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21K04015
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
梅谷 和弘 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (60749323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 英治 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20284268)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ワイヤレス給電 / 植込み型医療機器 / 制御回路 / 磁界共鳴型 / 磁気干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画通り,10W程度のワイヤレス給電の実験システムを構築し,開発したATACの自律的な制御回路によって送電器および受電器間の製造公差や相互干渉による送電電力の低下を解消できることを実験的に確認することができた。これにより,当初計画のステップ1である「送電器や受電器の電流位相を制御するATAC制御回路の開発と効果の実機検証」は成功裏に完了することができた。なお,今回開発した実験システムではISMバンドである6.78MHzの動作周波数に対応した形で設計することができたことから,ステップ3である「ISMバンド6.78MHz駆動に対応した実用的ワイヤレス給電システムの開発」に対しても達成する目途を立てることができており,当初想定した以上の成果を得ることができた。 またさらに,2022年度では計画のステップ2「送電器-受電器間の無線信号通信に基づく完全ワイヤレスな給電システムの開発」についても開始することになっている。この実施項目について,ATAC間の通信手段として無線接続を実現するため,より実用的な制御回路を開発した。当初計画において無線接続の媒体として電波および赤外線など複数の可能性があることを指摘していたが,改めて実現可能性を検討した結果,無線接続の媒体として法規制が少ない赤外線を採用した。結果的に,2022年度において新しく開発した制御回路では赤外線による通信機能を搭載している。新しい制御回路では,現在,ATACの自立制御として必要な回路機能が見たされていることを確認している。今後,開発した制御回路の基本的な回路特性の評価,および性能向上策の検討を進め,その上でこの制御回路を用いたワイヤレス給電の実験システムにおいて,提案技術の期待効果を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画のステップ1である「送電器や受電器の電流位相を制御するATAC制御回路の開発と効果の実機検証」は,当初より2022年度前半に完了する予定であった。実際には,2022年度後半まで,実機検証実験にかかってしまったが,2022年度内にこのステップを完了するに至ったことから概ね順調であると言える。また,ステップ2である「送電器-受電器間の無線信号通信に基づく完全ワイヤレスな給電システムの開発」においても,2022年度に予定していた無線信号通信に基づく制御回路の試作が完了し,現状では想定通りの回路動作が確認できている。現状の進捗では,計画の通りステップ2についても2023年度に完了する見込みであると言えることから,概ね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り,研究の進捗は概ね計画通りに進んでいると言えることから,ほぼ計画通りに今後も進めていく予定である。具体的には,2022年度に開発した制御回路の基本的な回路特性の評価,および性能向上策の検討を進め,その上でこの制御回路を用いたワイヤレス給電の実験システムにおいて,提案技術の期待効果を確認する。以上によって2023年度中にステップ2を完了する予定である。また,現状ではすでに6.78MHzでの制御回路として製作していることから,ステップ3についてもほぼ満足して進めることが可能である。ただし,6.78MHzでの動作では信号の伝搬遅延が問題となり開発した制御回路をそのままでは無調整で使用することが難しいと考えられることから,伝搬遅延によらず自律的に動作できるよう制御回路の改良を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度はこれまでの研究成果に関する学術論文執筆に専念してしまったことから,学会発表は1件しか実施することができなかった。これにより当初想定したより旅費の使用が少なかったため次年度使用額が発生したものと考える。ただし,2023年度は,2022年度の研究成果を積極的に学会で発表する予定であり,主に旅費として次年度使用額を使用することを想定している。
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