2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of a waste water decomposition mechanism for the Ball lightning like discharge method controlling contact time duration and reaction areas
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21K04017
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
前山 光明 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00196875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 球雷放電 / 水処理 / ヒロドキシラジカル / OHラジカル / 極性効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年めである令和4年度では、(1) 活性種ヒドロキシラジカル(以下 OHラジカル)の発生濃度分布測定 および (2) 電極材料が分解処理効果に与える影響、(3) 電極固定方法を変化させることでの再現性の影響 について、特に(2) に重きを置いて研究を実施した。 (1) については、吸収分光法によるOHラジカルの絶対密度およびその2次元分布測定により、OHラジカル密度が10^24 から 20^25 1/m^3 と他の発生方法にくらべ3-4桁高い値であることを実験的に示した。この結果は電気学会研究会にて発表した。 (2) は、本研究の学会での発表の際指摘されたことで、これまで銅(Cu) を電極材料とした実験だけであったので、他の数種類の材料を用い分解特性の比較を行った。この結果は、全く予想に反して、中心電極、リング状下部電極の極性により変化するが、どちらの場合でも陽極となる電極材料が銅以外では分解特性が極端に低下あるいは、全く分解できないという結果になった。イオン化傾向の材料の並びから銅以外として残るのは銀、白金、金などの貴金属が残されているのみで、令和5年度に白金メッキ電極を用いることで電極材料の効果の原因調査を行う計画である。 (3) について、従来の電極の固定方法では、2つの電極同士の距離の影響で、電極までの配線部分の絶縁体の加熱や絶縁破壊が生じ安いことと、固定位置の再現性が低いという課題に対して、容器下部から電極を液体中に配置するよう装置の改良を行った。初期的な実験結果で、従来負電極放電の場合の分解速度の低下の現象に関して印加電圧を上げることで低下の影響を下げ得る可能性があることを実験的に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来、放電による水処理においては、電極材料が分解性能に影響を与えるということは、若干はあるが全く分解できなくなるなど、劇的に変化することは報告されていなかった。本研究のはじめの計画には無かったこの現象が、本球雷放電の場合に表れるのは、放電時間が従来の水中アークや、コロナ放電などのマイクロ秒ほどの時間のものに比べ4桁ほど長い放電であり、また、通過電荷量が大きいことに原因として考えられる。また、これらの現象は、学問的にも興味のある現象であるので、この解明も本研究課題の目標に入れたため、それに必要な測定器、電極材料の購入などのため計画が少し遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間に実施した分解生成物の質量分析装置を用いた半定量測定、紫外線ー可視光吸光度計での測定結果、装置の改良、電極材料の違いによる分解性能の違いなど それぞれ相互に関連した内容を総合し、本球雷放電による難分解性物質の処理過程、性能を取りまとめ報告することが第一の方針。また、目的である難分解性物質の分解方法としてさらに分解性能を高めるための条件の調査、装置の改良を引き続き実施する。
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