2023 Fiscal Year Annual Research Report
路面駆動力を直接制御可能なインホイールアクチュエータの基礎研究
Project/Area Number |
21K04019
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
赤津 観 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90361740)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 磁性エラストマ / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
MREはMagnetoRheologicalの略称で、磁性エラストマーと呼称される磁性を持った素材である。シリコンゴムに強磁性体の微粒子を組み込むことにより、弾性をもった永久磁石となる。本研究では磁性エラストマーの弾性力および磁気吸引力を用いたアクチュエータを作成し、インホイールモータへの応用を検討した。 2021年度では強磁性体の配合率により磁気的吸引力と弾性力のバランスを検討し、配合率の異なる4種類のエラストマを用いた電磁石を作成、実機によりその変位と発生力を比較し、永久磁石配合率の高いエラストマがより大きな力を発生できることを確認した。 2022年度では、エラストマとフェライトコアを用いた磁気回路を設計し、有限要素解析によるシミュレーションで磁気回路の構成検討、必要なアンペアターン数等を検討し、電磁力を発生できる単一アクチュエータを設計した。 2023年度では、設計した単一アクチュエータによる実機実験を実施し、印加電流に比例した力が発生できることを確認した。同時に、エラストマ周辺にはエラストマと同等の硬さをもつ鉄紛を混入した弾性体を配置することで、磁気抵抗を下げて効果的に力が発生できることも確認した。さらには、コアに用いたフェライトの飽和特性改善が必要であることも確認できた。 以上から3年間でインホイールアクチュエータの基礎構造体となる単一アクチュエータの、エラストマ選定、磁気回路設計、特性取得実験を終了することができた。今後は課題である飽和特性の改善によりさらなる電磁力の向上、単一アクチュエータを複数用いたインホイールアクチュエータの設計と実験を実施する。
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