2022 Fiscal Year Research-status Report
共振器結合型高Q値コイルの開発と無線電力伝送への応用
Project/Area Number |
21K04021
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
關谷 尚人 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80432160)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ワイヤレス電力伝送 / 高Q値 / 超伝導線材 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】高周波で低損失を実現できる独自開発した高周波用超伝導線材を用いて同一周波数の4つのコイルから構成される共振器結合型コイルを実現することで,RF磁場の均一性が高く,2軸のRF磁場を発生できる高Q値送電コイルを開発し,それを用いてカプセル内視鏡を想定した小型受電コイルにワイヤレス電力伝送(WPT: Wireless Power Transfer)を行い従来技術では実現できない飛躍的な伝送効率の向上を目指す. 【本研究の意義】WPTの伝送効率が向上すれば,カプセル内視鏡に撮影及び撮影した画像を体外へ送信する通信機能の他に,自走機能や診断・治療機能を新たに付加できる可能性があり,体を大きく傷つけることなく診断や治療が行える革新的な低侵襲診断・治療ロボットの実現が期待される. 【2022年度実施内容】小型受電コイルへのWPTの設計を行う.例えば,送電コイル(Q = 20,000)と受電コイル(Q = 100)のQ値の差が著しく大きく,なおかつ一方のQ値が非常に小さいWPTの設計には従来のフィルタの設計理論を適用した最適化が行えない.特に受電側は体内にあるため,整合条件を変更することは容易ではない.そこで,受電側の整合条件を変えることなく伝送効率を最大にする方法を検討する.(予定では共振器結合型コイルの作製と評価を2022年度に実施予定であったが,ロシアとウクライナの戦争により超伝導線材の調達が難航したため,2023年度実施内容を前倒して実施した.) 【2022年度実施結果】回路解析の結果,受電コイルと負荷側のループコイルとの結合を非常に強くしておくことで,送電コイルの電源側のループコイルとの結合を調整するだけで伝送効率を最大化できることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロシアとウクライナの戦争の影響により,超伝導線材の調達に遅れが生じたため,2022年度の研究と2023年度の研究の内容を入れ替えて研究を実施したが,2023年度の研究内容を計画通り進めることができ,目標値を達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更が生じたため,2023年度は初めに2021年度に設計した高周波用超伝導線材を使った共振器結合型コイルの作製と評価を行う.次に,共振器結合型コイルを送電コイルとして,カプセル内視鏡サイズに合わせた受電コイルへのワイヤレス電力伝送の伝送効率について評価する.ワイヤレス電力伝送の評価は送電コイル内部に受電コイルを配置し,受電コイルの位置や角度を変えてネットワークアナライザを用いて伝送効率を測定する.最終的に送電コイル内の伝送効率マップを作成し,どこでもほぼ一定で非常に高い伝送効率を実現できることを明らかにする.
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Causes of Carryover |
ウクライナとロシアの戦争により超伝導線材の購入が予定より大幅に遅れたため,それを使った共振器結合型コイルの測定を2022年度から2023年度に変更した.それに伴い,測定に必要な高周波電磁界測定器の購入も2023年度に変更したため,次年度使用額が生じた.
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Research Products
(5 results)