2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を活用したデータ駆動型研究手法による電気絶縁材料劣化機構解明
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21K04024
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
弓達 新治 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (40380258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 一則 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (60291506)
尾崎 良太郎 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (90535361)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 絶縁材料 / 機械学習 / ナノフィラー / ポリマーコンポジット |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,電気絶縁材料開発分野への機械学習導入のための準備をおこなった。電気絶縁材料の劣化特性は,多くのパラメータ(膜厚,ポリマーの種類,欠陥,不純物,電圧の種類,周囲条件など)が関係している。機械学習の手法であるベイズ最適化を用いて,各種パラメータを決定するためのプログラムを構築した。スピンコート成膜実験において,目標値(膜厚)を得るためのパラメータの組み合わせ(最適解)を,網羅的実験より少ない試行回数で求めることができた。ベイズ最適化を絶縁材料開発に活用する準備ができた。 各種パラメータと絶縁破壊電圧(直流電圧印加時)からなるデータベースを構築する際に,各々の試料を流れる微小電流および空間電荷蓄積状態を知ることは絶縁破壊の要因を探るために重要である。極性基ポリーマーを含有するコポリマーでは,極性基ポリマー含有量の増加に伴い,空間電荷蓄積状態が変化し,電流密度が増加した。無機フィラー添加ポリマーでは,フィラー添加に伴い,電流密度が変化した。また,機械的加圧が,電流密度および空間電荷蓄積に与える影響は,ポリマーの種類により異なることを確認した。 膜厚および極性基ポリマー含有量を変えたコポリマー試料の絶縁破壊実験をおこない,機械学習のためのデータの蓄積に努めた。無機フィラーである酸化マグネシウム(MgO),酸化亜鉛(ZnO),酸化第二鉄(Fe2O3)を添加したポリマーを作製した。フィラー添加が絶縁破壊現象に与える影響を理解するため,熱エネルギー・静電エネルギー・歪エネルギーなどの自由エネルギー時間発展に基づくフェーズフィールド法によるシミュレーションを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械学習の方法によって,条件探索が高速・高効率に探索できることを確認することができた。機械学習を活用したたデータ駆動型研究手法に必要なデータ取得に向け,絶縁破壊実験およびシミュレーションを開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
無機フィラー(MgO,ZnO,Fe2O3)を添加したポリマーの絶縁破壊電圧および直流高電圧印加時の電流密度,空間電荷形成について調べる。機械学習の方法を用いて,各種パラメータ(膜厚,ポリマーの種類,欠陥,不純物,電圧の種類・大きさ,周囲条件など)と絶縁破壊電圧からなるデータベースを効率的に構築する。 さまざまな無機フィラー(MgO,ZnO,Fe2O3など)を添加したポリマーの絶縁破壊現象をそれぞれ,シミュレーションする。任意のフィラーを添加した場合について,絶縁破壊電圧と各種パラメータの関係を示す回帰モデルを求める。
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Research Products
(6 results)