2022 Fiscal Year Research-status Report
回転機制御技術を活用した電磁エネルギー変換に関する研究
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21K04027
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 征則 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50580148)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電磁エネルギー変換 / 非接触給電 / 回転機制御 / パワーエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に未実施項目が残っていた「モータ駆動システムを参考にした非接触給電システムの共通点整理」についても継続して行い、コイル間距離の変化に対する特性測定を進めた。モータの運転状況に近い電磁誘導に基づく結合のため、距離に対する特性変化が大きく、今後は一般的な用途への適用だけでなく、短距離伝送の用途を想定した給電コイル構成や制御法の検討を進めていくべきことがわかった。 2年目に計画していた「非接触給電システムの制御法や推定法の構築」について、非接触給電コイルの状態(位置, 距離)と電力の最大化について研究を進めた。シミュレーションに用いる非接触給電コイルのモデル化は時間を要することが予想されたため、1年目と同様にまずは実験装置を用いた特性に基づく、給電コイル状態の推定について研究を行った。非接触給電では単相コイルを1対1で使用することが多く、三相交流で直交成分を用いるベクトル制御の考え方は積極的に利用されていなかった。本研究では、三相巻線による給電コイル構成を用いることでベクトル表現が容易であることに注目した。 駆動周波数の時間積分により得られる位相を利用でき座標変換を用いた直交成分の算出はできた。しかし、実験ではインバータを用いて給電コイルに電圧・電流を印加したため、予想よりもスイッチングによる高調波成分が大きく生じ、推定特性に与える影響を無視できなかった。現状の実験ではSiCのスイッチング素子を用いておりスイッチング周波数の上限200kHzに対して基本波周波数が85kHzであることが一因であると考えている。スイッチング素子の変更は困難であるとして、ディジタルフィルタの適用など制御・推定側で対応も必要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
モータと異なり非接触給電コイルは3次元的に磁気的な結合を持つため、シミュレーションよりも実機による実測に基づく特性を用いた方が研究が良いになると考えていたが、スイッチングによる高調波成分、配線に起因するノイズの影響や測定値のばらつきが想定していたよりも大きかったため、実験環境を改めて整えた後、再度推定法と制御法の検討・構築を行う予定である。 また、測定方法についても、これまでの電力測定装置を用いた方法に加えて、制御時に高速なサンプリングに対応できるAD変換ボードも追加導入し、複数の方法による比較により測定値の精度も含めて改めて確認する必要が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度には新しい制御・推定法について「シミュレーションと実機実験による有効性検証」を行う計画であるが、前工程の制御法・推定法の検討・構築に時間を要しており同時並行で研究を進める。 測定値のばらつきを回避する方法として、詳細なモデルではなく簡潔なモデルを用いて回路シミュレーションソフトウェアにより、新しく構築した推定法や制御法による電力最大化が実現できることを確認する。電圧や電流の制限値を大幅に超過するなど制御特性が不適切な場合には再度、制御法や推定法の改善のため再検討する。 シミュレーションで有効性を確認できれば実機実験による検証を行う。実験においてモータと異なり非接触給電は3次元で考える必要があるため、制御に用いるパラメータ変化が予想より大きい可能性がある。パラメータ変化を解析で評価するため磁界解析ソフトウェアと回路シミュレータとの連携も予定している。また、モータ駆動においては基本波周波数が高くても数kHzであり、インバータのスイッチング周波数も数十kHzあることに対して、非接触給電では基本波周波数で85kHz、パルス幅変調を適用すると数百kHzとなることから、電圧・電流のサンプリングや制御を高速化する必要も予想される。FPGAボードを導入し推定と制御の一部をハードウェア処理とすることで高速化する。
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Causes of Carryover |
実験装置の構成を再検討する必要があり、仕様変更について年度中に確定できなかったため調達が間に合わなかった。次年度に使用する。
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