2023 Fiscal Year Annual Research Report
空間・時間反転対称性により実現する移動対象へのワイヤレス給電
Project/Area Number |
21K04036
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
石田 弘樹 岡山理科大学, 理学部, 教授 (50413761)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ワイヤレス給電 / ロバスト性 / PT対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、前年度に構築したPT対称性を応用したワイヤレス給電システムの性能向上に取り組んだ。前年度までは、PT対称性を保持したままコイルを動かすことができる距離がおおよそ4cm(磁気結合結合係数では0.08に相当)であった。目標値として2倍の8cm(磁気結合結合係数では0.04に相当)を設定した。 コイルの移動可能な範囲を広げるためには、臨界磁気結合係数(kmc)の値を小さくする必要がある。本研究では、理論解析および電磁界シミュレーション結果に基づき、kmc値を小さくするための方法として、(1)コイル形状の最適化、(2)共振回路のトポロジーの最適化、(3)受電側のDCDCコンバータによる見かけの負荷抵抗値の調整が有効であることを見出した。 研究の結果、以下の知見を得ることができた。(1)kmc値を小さくする観点において、コイルの長手方向と全長と巻線部の幅の比には最適値がある。(2)従来のS-SやS-PトポロジーよりもS-SPトポロジー(受電側の共振回路において共振用コンデンサがコイルに対して直列および並列で接続されているトポロジー)の方がkmc値を小さくできる。(3)降圧チョッパ型のDCDCコンバータの通流率Dを調整し、見かけの負荷抵抗値が大きくなるようにすることでkmc値を小さくできる。 以上の(1)-(3)の知見に基づきワイヤレス給電システムを再構築したところ、PT対称性を保持したままコイルを動かすことができる距離を7.5mmまで伸ばすことに成功した。なお、研究成果の詳細は、学術論文(H. Ishida et al., IEEJ Journal of Industry Applications 13(2) 188-197 (2024))として発表した。
|
Research Products
(4 results)