2021 Fiscal Year Research-status Report
Safety evaluation of human exposure using large-scale analysis based on ultra-high resolution body model in quasi-millimeter and millimeter wave bands
Project/Area Number |
21K04039
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 準ミリ波帯 / ミリ波帯 / 超高解像度人体ボクセルモデル / 人体ばく露 / 安全性評価 / 国際標準化 / SAR / APD |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は「超高解像度人体モデルと大規模解析に基づく準ミリ波・ミリ波帯人体ばく露の安全性評価」として、主に以下の研究を実施した。 1)準ミリ波・ミリ波帯用超解像度頭部モデルの開発:準ミリ波・ミリ波帯において高精度なばく露評価を実施するためには高解像度な人体数値ボクセルモデルが必要となる。本研究室ではこれらの問題を克服するためにポリゴンモデル技術を応用した既存ボクセルの高解像度技術と人体皮膚厚みコントロール技術を過去に開発している。本年度はこれらの技術を用いてNICT人体数値モデル「TARO」から比較評価のために複数の超解像度頭部モデルを作成した。 2)新並列型ベクトルスパコン用超大規模ばく露解析プログラムの開発:準ミリ波・ミリ波帯における人体電磁ばく露解析では電磁界・熱の複合物理数値解析が必要となる。本研究では電磁界及び熱解析共に非常に大規模な解析となるため、ベクトル型スーパーコンピュータを用いた解析が効果的である。超大規模ばく露解析には8個のベクトルコアと広帯域HBM2メモリで構成されたPCI-Eカードを大量に搭載した新並列型ベクトルスパコン(東北大学スーパーコンピュータSX-Aurora)を用いる。本スパコンの潜在能力を引き出すためMPI、ベクトル指示文を用いてFDTD電磁界及び人体生体反応を考慮した熱解析プログラムの改良を行った。 3)超高解像度人体モデルを用いた準ミリ波・ミリ波帯における人体ばく露解析: 超解像度頭部モデルと超大規模ばく露解析プログラムを用いて、平面波による遠方ばく露、半波長ダイポールによる近傍ばく露を想定した頭部ばく露評価を行った。頭部モデルとしては、TAROモデルにスムージングのみを施したモデル、複数種類の均一皮膚厚みのモデル、皮膚媒質のみで構成されたモデルなど用いて皮膚モデリングがAPD周波数特性に与える影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り進んでおり特に問題は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず今年度得られた研究成果について、論文にまとめて学会誌に投稿する予定である。また、FDTD法による全身ばく露を行いその特性を明らかにすると共に、レイトレーシング法の全身ばく露評価プログラムを完成させて具体的な評価及びFDTD法との比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
人体電磁ばく露評価で主に用いられる電磁界解析手法のFDTD法は、準ミリ波帯・ミリ波帯解析において大容量のメインメモリが必要となる。近年のスーパーコンピュータはCPUとメインメモリのバランスを保つために高速且つ小容量のメモリ構成となっている場合が多いが、FDTD法のように並列計算に適した手法では分散メモリ型の形態を採用しているため複数ノード利用よりメインメモリ総量を簡単に増やすことが可能である。一方、SARやAPD計算などの後処理計算と分散メモリ型並列計算機との相性はあまり良くないため、効率的な処理を実現するにはある程度のメモリ量を搭載した共有メモリ型並列計算機が必要となる。 今年度は後処理計算用の共有メモリ型並列計算機を自作する予定だったが、新型コロナウィルスの影響による半導体不足が原因で必要条件を満たすCPUの販売が延期されたため、次年度使用額が生じてしまった。次年度は所望のCPUが購入可能になる予定なので使用計画の問題は無い。
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