2023 Fiscal Year Annual Research Report
Safety evaluation of human exposure using large-scale analysis based on ultra-high resolution body model in quasi-millimeter and millimeter wave bands
Project/Area Number |
21K04039
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 準ミリ波帯 / ミリ波帯 / 超高解像度人体ボクセルモデル / 人体ばく露 / 安全性評価 / 国際標準化 / 全身平均SAR |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は「超高解像度人体モデルと大規模解析に基づく準ミリ波・ミリ波帯人体ばく露の安全性評価」として、主に以下の研究を実施した。 6GHz以上における準ミリ波領域の人体電磁ばく露は、数学的には皮膚表面近傍にエネルギーが集中することが知られている。しかしながら、実際の人体表面近傍では皮膚、脂肪、筋肉などの複数組織で構成されていることに加え、3次元的な局面を有しているため具体的且つ詳細なばく露評価を行うためには解剖学に基づく人体数値モデルを用いたFDTD電磁界解析が有効であり広く用いられている。本年度は、昨年度の皮膚厚みを考慮した頭部ばく露評価解析を発展させ、大規模高精度FDTD解析による全身ばく露評価を実施した。具体的には、複数種類の皮膚厚みを考慮した高解像度の全身人体モデルを開発し、国際ガイドラインにおける外部電力密度の限界値を提供するため1GHz~100GHzの広範囲周波数における全身平均比吸収率(WBA-SAR)の周波数依存性を世界で初めて計算した。 結果として、皮膚の厚さは全身電力吸収に影響を及ぼし、そのWBA-SAR値は1~10GHz程度では体内へ侵入深さ及びその内部電界強度、10~20GHz程度では皮膚近傍の共振吸収に依存するピーク周波数に影響を与えることが確認された。更に、約20GHzを越えると皮膚表面における反射が支配的になりその値は皮膚厚みに依存しないことが示された。また、表面平滑化なし及びありの人体モデルの結果を比較したところ、平滑化なしモデルはありモデルと比較してWBA-SARが10%~17%程度高い値を示し、全身ばく露評価においても平滑化モデルの重要性が確認された。
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