2023 Fiscal Year Annual Research Report
方向統計学と信号処理の融合による高精度信号マッチングのための基盤技術開拓
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21K04040
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| Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
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Principal Investigator |
八巻 俊輔 東北工業大学, 工学部, 准教授 (10534076)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 方向統計学 / 信号マッチング / 相関関数 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，相関関数を用いた信号マッチング技術に関して，その理論的な妥当性および性能限界を明らかにすることを目的とした．本手法では，2信号間のクロスパワースペクトルを確率変数と仮定し，相関関数の統計的性質を導出することにより，周波数領域におけるクロスパワースペクトルの変化に対する時間領域における相関関数の挙動を解析した．さらに，位相スペクトルが角度データであることを考慮した上で，方向統計学の概念を新しく導入した統計的解析法の確立を目指した．
今年度は，信号マッチング技術をサウンドコラージュ技術に応用できる可能性を検討した．サウンドコラージュとは，要素音から目的音を表現するサウンドエフェクトを実現する音質変換技術である．このサウンドコラージュでは，NMF（Non-Negative Matrix Factorization: 非負値行列因子分解）を用いて要素音および目的音のスペクトログラムを基底行列と係数行列の積で近似する．基底行列は音の周波数スペクトルを表し，係数行列は時間ごとの重み付けを表す．NMFを用いたサウンドコラージュにより，要素音から目的音を近似した出力スペクトログラムが得られる．ここで，出力音と目的音のスペクトログラムの類似性を評価する必要があるため，方向統計学と信号処理を融合した信号マッチング技術が応用できる可能性が見出された．
研究期間全体を通して，2信号間のクロスパワースペクトルを2変量確率変数と仮定した場合の相関関数の統計的性質の定式化，信号に白色ガウス雑音が重畳したときのスペクトル変動に対する相関関数の変動の評価，相関フィルタ理論に基づく相関関数の性能評価，信号マッチング技術のサウンドコラージュ技術への応用などの研究に取り組み，相関関数を用いた信号マッチング技術に関して，方向統計学の観点からさまざまな理論構築を行い，それらの数学的性質を明らかにした．
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