2021 Fiscal Year Research-status Report
超多チャネル型光ネットワークにおける高速周波数資源割当制御に関する研究
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21K04054
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
廣田 悠介 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター, 主任研究員 (20533136)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 全光ネットワーク / フォトニックネットワーク / 空間多重 / エラスティック光ネットワーク / 周波数資源割当 / ルーティング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、将来の光ネットワークとして多数の光ファイバで構成されるリンクで交換ノードが接続された超多数ファイバリンク型光ネットワークを対象とし、その基本特性を明らかにするとともに、超多数の並列空間チャネルが利用可能な光ネットワークに適したノードアーキテクチャの設計、及びに新たな光ネットワーク制御基盤システムの要素技術を開発することである。本研究では、(1)ノードアーキテクチャ設計と(2)周波数資源の高効率制御アルゴリズムの2課題を中心に取り組んでいる。 初年度は、課題(1)関しては、主にネットワークレイヤの空間分割多重関連研究と近年活発に研究開発が行われている機械学習応用について、当該分野旗艦国際会議などで動向調査を中心に実施するとともに、すでに本研究の事前準備としても位置づけられる空間分割多重型エラスティック光ネットワークのノードアーキテクチャ検討を継続実施した。具体的には、低損失特性の観点から、MEMSミラーによるコア選択スイッチを用いた光パスノードアーキテクチャの基本構成を設計した。 また、課題(2)に関して、空間チャネルを高効率に利用するために、強化学習を用いたアルゴリズム開発を進めた。まず、本研究を進める上でのベンチマークとなる手法として、単純に機械学習を適応した空間分割多重型エラスティック光ネットワークにおける周波数資源割当アルゴリズムを開発した。本研究課題が対象としている光ネットワークでは多数の空間チャネルを扱うために学習までに多大な時間が必要となる。そのため、エラスティック光ネットワークの特徴である複数の必要周波数スロット数に基づいて周波数軸上でグリッド制約を設けることで、強化学習における行動空間を制限するとともに、ルーティングにおける候補経路数を増やすことで単純な方式と比べて1/100以上の光パス棄却率の改善が可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究そのものについては計画に概ね沿った形で進捗している。初年度は、成果発表の観点では、国際会議投稿の時期と他のプロジェクト進捗との兼ね合いから当初予定からの遅れがみられるものの、IEEEのネットワーク分野主要国際会議投稿に向けてすでに準備中であり、他の成果についても順次国内研究会などへの投稿準備を進めている。これらのことより、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である令和4年度は、初年度同様にそれぞれの課題を並行して進める。課題(1)ノードアーキテクチャ設計に関して、初年度に検討を行った超多数チャネルを収容する光スイッチングノードアーキテクチャの細部検討を行い提案アーキテクチャの確立を目指す。また、その交換ノードから構成される光ネットワークシステムをシミュレータに実装し評価を開始する。 一方の課題(2)周波数資源の高効率制御アルゴリズムに関しては、初年度の提案資源割当アルゴリズムを様々なトポロジで性能評価し、更なる方式の改良を実施する。また、年度後半は、資源管理プトロコル開発に着手する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた旅費が不要になり、オンライン参加となったことで、旅費及び学会参加費の節約が可能となった。また半導体不足等により導入を想定していた機器の納品予定日が次年度となったため、次年度使用額が生じている。これらは、令和4年度に評価用機器の選定を改めて実施し購入するとともに、より多方面から検討を行うためのオンライン国際会議参加費などに充当する予定である。
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