2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Multi-access Underwater Simultaneous Wireless Power and Information Transmission Technology Using Visible Light Wavelength Adaptive Modulation
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21K04057
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小澤 佑介 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (20634215)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 可視光ワイヤレス給電通信 / 海中可視光通信 / 多元接続型可視光ワイヤレス給電通信 / 光符号分割多元接続 / 多元接続方式 / 可視光通信 / 海中無線通信 / 海中高速無線ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、海底国際資源の探索・発掘作業を円滑に進めるために複数の海中ドローンや海中センサ等に対して、可視光を用いたワイヤレス通信・ワイヤレス給電を同時に実現する多元接続型海中可視光ワイヤレス給電通信(多元接続型海中SLIPT)の基礎理論構築を目的としている。この研究目的実現のために4つの課題、(A)空間分割技術を基盤とした多元接続型SLIPT技術の理論解析(R03年度課題)、(B)推定海中空間チャネル状態に応じた適応変調技術の理論解析(R03-04年度課題)、(C)光波長適応変調技術を用いた多元接続型SLIPT技術の理論解析(R04年度課題)、(D)(A)から(C)の基礎実験評価系製作と通信・給電性能の基礎的実験評価(R05年度課題)の達成を目的としている。今年度はとくに課題(B)に取り組み、(B1)適応変調技術の高度化、(B2)SLIPT受信機の最適化、(B3)角度ダイバーシティ受信機の最適化、について検討を行った。その結果、(B1)では、通信性能を決定する送信信号点間距離と給電性能に影響を与える受信信号変動率を柔軟に選択できる信号点拡張技術の提案とその理論構築を提案した。また、(B2)では、通信と給電に用いる受信電力を分離する電力分離型SLIPTを検討し、受信電力を分離する際の比率を所望の通信性能を満たしつつ給電電力を最大化するように最適化することが可能となった。最後に、(B3)では複数の光受信機を異なる角度で配置した角度ダイバーシティ受信機を検討し、海中で任意の通信エリアに対し信号電力対雑音比を最大化する光受信機の配置及び光受信機に配置するレンズのField-of-Viewを導出する、配置アルゴリズムについて提案を行った。これらの要素技術については昨年度構築した海中光通信路モデルを考慮し、理論解析・数値評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R04年度は「研究実績の概要」に述べた(B)推定海中空間チャネル状態に応じた適応変調技術の理論解析についてさらに検討を行い、基盤となる理論構築が完了した。さらに、これらの検討技術を(C)光波長適応変調技術を用いた多元接続型SLIPT技術の理論解析へ応用することをR04年度の目標としていた。これに対し、光符号分割多元接続方式(OCDMA)、光直交周波数分割多元接続方式(OFDMA)を用いた多元接続型SLIPTについて検討を行い、海中におけるビット誤り率解析及び給電エネルギー量について基礎的な解析及び評価を行った。一方で、実際の太陽光雑音等を考慮した海中通信エリア内における包括的な性能評価は、数値セットアップが多岐に渡るため現在も引き続き取り組んでいるところであり、これ以降の研究状況がやや遅れている。具体的には、OCDMAとOFDMAに光波長適応変調技術を適用した際の基礎理論構築である。以上より、今年度の研究目標に対し「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」で述べた通り本研究課題は「やや遅れている」状況であり、R05年度は今年度得られた課題(B)の知見を活かし、これらの技術を統合して「課題(C)光波長適応変調技術を用いた多元接続型SLIPT技術の理論解析」の検討を続けていく予定である。具体的には、課題(A)で検討したOCDMAを用いたSLIPT方式とOFDMAを用いたSLIPT方式に対し、光波長適応変調技術を適用した際の基礎理論構築を行う予定である。また、課題(A)については主にOCDMAやOFDMA等の直交多重方式を検討しているが、海中ネットワーク網の通信路容量向上を目的として、非直交多重方式を用いた多元接続についても検討を行い直交多重方式との性能比較を実施する。また、これまでの理論解析・評価の検証のために、複数の送受信機を制作を行い、複数端末接続時の通信・給電性能について実験的評価を行う予定である(課題(D))。ただし、本研究課題では基礎実験の段階であり、まずは地上での実施を予定している。さらに、本研究課題の最重要課題は多元接続型SLIPTの基礎理論構築であるため、研究進捗が遅れている場合には課題(A)(B)(C)の完遂に全力を注ぐ。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が主に生じた要因は旅費である。これは研究成果のとりまとめが遅れたため、投稿・発表を予定していた国際会議に間に合わなかったためである。これらの研究成果は別の国際会議に採択済みであり、R5年度に発表予定である。
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Research Products
(5 results)