2022 Fiscal Year Research-status Report
非線形光学効果と電気光学効果を用いた光電融合コヒーレントシリアルパラレル信号処理
Project/Area Number |
21K04067
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
福地 裕 東京理科大学, 工学部電気工学科, 准教授 (70366433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 亮一 東京理科大学, 工学部電気工学科, 助教 (80843838)
前田 譲治 東京理科大学, 創域理工学部電気電子情報工学科, 教授 (10256670)
平田 孝志 関西大学, システム理工学部, 教授 (10510472)
木村 共孝 同志社大学, 理工学部, 准教授 (20756382)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 先端機能デバイス / 超高速情報処理 / 光スイッチ / フォトニックネットワーク / 先端的通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブロードバンドインターネットを基軸とする高度情報化社会では、基幹光ネットワークにエクサビット毎秒級の超大容量性が将来要求されると予測される。このようなシステムの構築のため、ディジタルコヒーレント光通信システムの研究開発が2000年代から活発化しており、ネットワークの高度化には超高速、広帯域、高機能な中継ノードが必須になると考えられる。 本研究では、理論と実験の両面から、分極反転周期変調擬似位相整合ニオブ酸リチウムアレイ光導波路に電圧制御機能を搭載した新たな光-電気ハイブリッド信号処理デバイスを創出する。当該素子の結晶や構造等のデバイスパラメータを自在に制御することにより、高次の非線形光学効果に基づく光段におけるコヒーレントシリアル-パラレル信号処理と、電気光学効果に基づく電気段におけるシンセサイジングを同時に実現する。光子と電子に秘めた普遍的特質を活かし合い、これらの巧みな合成動作に基づく先進信号処理技術を開拓し、超高速かつ広帯域でスマートなコヒーレントノードの実現を目指す。 今年度は、研究代表者と各研究分担者が役割分担することにより、昨年度の研究成果を踏まえた最適化デバイスの試作を開始し、設計精度や各種基本特性の評価に取り組んだ。さらに、参画研究者のそれぞれの専門性を活かすことにより、設計時の予測性能と実装仕様等を比較検証し、翌年度の実験対策を行った。これらにより、当該デバイスの時間、周波数、位相、空間の全軸上の信号処理について検討を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究実績をベースに、本研究の実施環境や体制整備を事前に進めていた。例えば、培ったプログラミング技術を活かすことにより、昨年度に実施したデバイスの特性解析等を効果的に実行することができた。さらに、これらを踏まえた今年度の当該デバイスの設計や試作等もスムーズに進行することができた。 また、これまでに整備した光学機器や送受信システム、測定装置等を効率的かつ効果的に活用することにより、今年度に実施した各種の基礎実験もスムーズに進行することができた。申請時には想定できなかった技術的課題が生じた際にも、学内外の共同研究者との強固な協力支援体制により、それらの多くも解決することができた。 さらに、研究室に所属する本学学生も研究協力者として数名参加した。これにより、計算機管理や多くの試し計算とその検証、予備実験等を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は次の通りである。最終年度である翌年度は、これまでの研究成果を踏まえて、各種の光-電気融合信号処理についての実験や、本研究の総括と公表等に取り組む予定である。 具体的には、参画研究者全員の専門性を活かすことにより、各種多値変調信号の一括生成、増幅、変調フォーマット変換、アドドロップ、チューナブルチャネル交換、セレクティブチャネル交換、雑音抑圧、信号再生、任意位相周波数コム生成、スペクトル整形、時間波形整形等の課題に取り組む予定である。また可能であれば、研究の進展も見据えて、かなり難関であるが人工ニューロンや量子回路等も創生したい。 最後に3年間の全研究成果について、各大学のホームページやオープンキャンパス、各種セミナーでのブース展示や学会等、広く社会と国民に発信する予定である。さらに、本研究の課題や問題点、改善法等を検証し、産学連携や国際連携の研究プロジェクト等へも発展させたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、次の通りである。学内外の共同研究者との長年にわたる強固な協力支援体制により、多くの技術的課題を解決でき、これまでに整備した光学機器や送受信システム、測定装置等を改良することにより、効率的かつ効果的に運用できた。このため、当初の研究計画で購入を予定していた機器備品の一部については、これまでに整備してきたものを工夫して有効活用できるようになったため、購入する必要がなくなった。 上記を踏まえた今後の使用計画は、次の通りである。研究の進展も見据えて、今後挑戦していく難関課題に取り組むために必要となる研究設備の一部に充当する予定である。これらの機器備品や消耗品等の購入は、本研究計画に沿って有効かつ効率的に支出するものである。
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Research Products
(4 results)