2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K04068
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中野 久松 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (00061234)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 円偏波 / メタアトム / メタループ / 干渉波除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
電波利用が増えるにつれて, 干渉電波によって生ずる無線通信の劣化が深刻な問題となっている. この通信劣化は電波の出入り口であるアンテナを機能化することにより防げる. このような機能化されたアンテナを干渉除去アンテナ(Anti-Interference Antenna: AI-ANT)とよぶ. 従来のAI-ANTは直線偏波用であり, 円偏波用AI-ANTの例はアンテナ構成が難しいために極めて少ない. 本研究の目的は, この困難を打破し, 新たに円偏波用AI-ANTを創造することにある. 上記の目的を達成するために, 新人工材料素子であるメタマテリアル・アトムを使用し, 厚みが2mm以下の超薄 (1/100波長程度)であって, かつ平面構造となる様にアンテナを構築する. 本研究では,円偏波放射メタマテリアルループを同心状に複数個配置し, 学術上から干渉波除去についての電磁界特性を体系化する.この AI-ANTは円偏波を使用する移動体間通信や, 衛星通信などに使用されることになる. 2023年度は, 2022年度および2021年度に得られた知見を基に,放射体A (2個の円偏波メタループを接続したもの)と放射体B(1個のメタループ)とを一体化した. この時,放射体Aに於いては放射位相が360度変化するように, 他方,放射体Bに於いては放射位相が720度変化するように設計した.放射体AとBの給電に位相差を与え, 放射ビームの方向を変えることにより, 干渉波を受信できない様にした.更に,干渉波除去に関する理論構築を確実なものにするために, 実験による検証を実行した. 最後に,放射体B上の電流の減衰定数による軸比への影響について考察を行い.これまでの研究結果を取りまとめた.
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