2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on gain controllability of few-mode erbium-doped fibre amplifier
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21K04069
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 浩孝 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (00522343)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フューモード / エルビウム添加ファイバ増幅器 / 利得制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、本年度計画である①フューモード・エルビウム添加ファイバ増幅器(FM-EDFA)の静的利得制御性のシミュレーションによる考察に加え、令和4年度計画の②FM-EDFAの動的利得制御性の理論導出の一部を実施した。 ①の静的利得制御性については、3モード(2-LPモード)FM-EDFAの入力信号光レベル及びチャネル数が定常状態にある場合の定常状態利得スペクトルと、信号光レベル変化、またはチャネル数変化が生じたときに励起光パワーを調整した制御後利得スペクトルを比較した。FM-EDFAの増幅用ファイバとしては、円コア・エルビウム添加ファイバ(EDF)及びリングコアEDFの2種類について調べた。その結果、円コアEDFでは励起光モードがLP11モードの場合に定常状態と制御後の両利得スペクトルがほぼ一致すること、ならびに、リングコアEDFでは励起光モードによらず励起光パワー調整によって定常状態と制御後の両利得スペクトルがほぼ一致することを明らかにした。 ②のFM-EDFAの動的利得制御性の理論導出については、平均反転分布率を用いたFM-EDFAの解析的モデルを導出した。導出したモデルの最大の特徴は、EDFコアのエルビウムイオン添加分布、励起エルビウムイオンの分布、信号光強度分布の重なり積分で定義されるオーバーラップファクターを導入したことである。このオーバーラップファクターにより、平均反転分布率を用いてもモード毎に異なるモード依存反転分布が表現でき、且つ従来のシングルモードEDFAの解析的モデルと同等にモデルを簡素化することができた。 令和3年度に達成したこれらの成果に関しては、①についてFM-EDFAにおいて励起光パワーによる利得制御が可能であるという新たな知見が得られたため学会発表を行った。また②についてもFM-EDFAの新たなモデルの提案を学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は当初の研究計画である「フューモード・エルビウム添加ファイバ増幅器(FM-EDFA)の静的利得制御性のシミュレーションによる考察」に加え、令和4年度計画の「FM-EDFAの動的利得制御性の理論導出」について、その一部を前倒しで実施した。この理論導出を前倒してFM-EDFAの解析的モデルを導出した結果、静的利得制御性のシミュレーション結果を理論面から妥当性を判断できるものとなった。本研究の初年度から次年度計画の一部を前倒しできていることを考慮すると、現在までの進捗状況は当初の研究計画予定よりも進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進は、(1)導出したFM-EDFA理論から得られる動的特性の妥当性の検証、(2) 静的及び動的利得制御性の実験検証を計画している。 (1)については当初計画から令和4年度に実施の研究であり、FM-EDFAの解析的モデル(近似理論)を用いたシミュレーションにより得られる動的利得特性を、近似なしのモデルから得られる特性と比較し、計算結果の誤差から解析的モデルによる動的利得特性の妥当性を示すとともに、解析的モデルの効率性(実行時間の短縮度)を明らかにする。 (2)に関しては当初計画通り、FM-EDFA実機を用いて静的利得制御性の実験的検証、並びに導出した解析的モデルを用いたシミュレーション結果の実験的検証を実施する。これらは令和5年度実施の計画であるが、(1)の進捗状況に応じて可能な場合は前倒しをして実施する。
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Causes of Carryover |
少額につき、次年度の物品費に充当する。
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