2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K04072
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
谷本 正幸 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (30109293)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自由視点テレビ |
Outline of Annual Research Achievements |
将来の没入メディアでは、高い写実性と水平・垂直の両方向視差を広い範囲で実現する高画質・広視域のFTVが必要となる。しかし,従来の点ベースのシーン表現では、高画質・広視域のFTVは実現できない。このため、昨年度に面ベースのシーン表現と面ベースFTVを提案した。今年度は、4次元極座標光線空間を用いて面ベース表現と面ベースFTVの性能解析を行うとともに、面ベースFTV によるFree Navigation実験を行い、高画質・広視域FTVとしての性能を検証した。 水平・垂直の両方向視差の実現に必要な4次元極座標光線空間を可視化するため、表面上の位置が方向を表す方位球を定義し、その表面にviewを配置することにより4次元極座標光線空間の全てを表示した。3次元空間の物体上の1点が発する光線群は4次元極座標光線空間に螺旋構造を生じる。この構造を利用すれば、光線空間から水平・垂直の両方向視差を持つ3次元シーンの自由視点画像を生成できる。viewの1画素から光線の入射方向にdepthの距離だけ遡ると3次元空間の1点となる。これがこの光線の光源である。この光源は多視点映像の他のviewからも見える。depthが正しい場合にはどのviewから遡った点も一致する。しかし、depthに誤りがあるとこれらの点は一致せず、多数の偽の光源が発生する。このため点ベース表現の光線空間には多数の偽の光線が含まれる。これに対して、面ベース表現では面を検出して光線空間を生成するため、偽の光線の発生を抑えて視域を広げることができる。 面ベースFTV によるFree Navigation実験を行った。正20面体の12頂点にカメラを配置し、中心に置かれた物体を全方向から撮影した。光線空間の3viewから面を検出し、面ベースの自由視点画像生成を行った。これにより360度の広い視域を実現でき、面ベースFTVの有効性を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
面ベースFTVの基礎理論である4次元極座標光線空間の構造を明らかにするとともに、面ベースFTVによるFree Navigationを実現できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
オクルージョンがある場合の面検出法を研究し、面検出の範囲を拡大できるように光線空間理論を発展させる。その結果によりオクルージョンがある3DシーンのFree Navigationを行う。これまでの研究で得られた知見を総合して整理・体系化し、面ベースFTVの基礎資料として整備する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため国際会議がオンライン開催となり、旅費の執行額が少なかった。また、理論の研究が主体であったため、物品費の購入が少なかった。次年度は、実験と国際会議出席等が見込まれるため、最終年度分として請求した助成金と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(2 results)