2021 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of the spatial resolution of phase-contrast CT
Project/Area Number |
21K04077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
砂口 尚輝 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (60536481)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | X線CT / 屈折コントラスト / 生体マイクロアナトミー / X線暗視野法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、組織サンプル内の細胞核の分布を3次元的に可視化するために、新しい高空間分解能位相コントラスト撮像法を開発することである。本撮像方式に基づく装置を高エネルギー加速器研究機構(KEK)に構築し、物理ファントムや腫瘍組織の撮像実験を通じて有用性を実証する。 本年度は,各種数値ファントムを用いてLAA結晶内のX線伝搬シミュレーションを行い、LAAの厚みやピクセルサイズなどのパラメータで投影像がどのように変化するか検証した。また、新しい撮像法に基づいて取得された投影像からCTが再構成できることを示した。さらに、撮像条件を最適化し理想的な撮像環境における空間分解能やコントラスト分解能を明らかにした。シミュレーター内では動力学的回折理論のTakagi-Taupin方程式に基づき結晶格子面毎にX線エネルギーが計算された。細胞核レベルの描出を目指すためには,LAAの厚さを24umあるいは71umにする必要があることが分かった.また,同時にカメラのピクセルサイズも1um程度に小さくする必要がある.ここで得られたパラメータを基に新しい撮像法のためのデバイスを製作した.本年度後半は,実際に高エネルギー加速器研究機構で基礎的なデータを取得し,シミュレーションによる結果を裏付ける撮影像が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
次年度予定していた実際に高エネルギー加速器研究機構で行う撮像実験を行うことができ,想定よりも早く研究が進んでいる.また,次年度初旬に本撮像法の論文を投稿する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は高エネルギー加速器研究機構に構築された新しい撮像法でより高画質な画像が得られるようにX線カメラの改良(レンズやセンサの更新)を行う.また,生体組織の撮像を行い内部の組織構造が高空間分解能で得られるかどうか調査する.
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Causes of Carryover |
購入予定だったシンチレータを別の予算で以前購入したもので代用したため.
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