2021 Fiscal Year Research-status Report
データの軌跡情報からの兆候検出と意図の推定の融合による判断制御支援に関する研究
Project/Area Number |
21K04081
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
緒方 公一 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (10264277)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 信号処理 / 軌跡 / 計測 / 兆候 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,計測データの時間的推移軌跡などに現れる特徴や兆候の検出を行うと同時に,人が関わる動作では,その意図を推測することで,事態の推移の早期の把握・予測,人の動作への支援,関係対象物の制御支援などに結びつけようとする研究である。本年度は,主に要素技術となる項目の開発研究を実施した。音声関連では,音声のホルマント周波数からの声道形状逆推定について,声道音響管の形状変化から擬似的な調音運動速度の可視化について検討した。運動の特徴などの兆候を評価検討し,破裂音生成のための効率的な動きを達成する傾向などが確認されている。視線運動関連では,視線検出システムの改変を行い,Webコンテンツの操作を意図したシステムの開発を進めた。視線の動きをjoystic(ジョイスティック)操作の要領で利用する仕組みを提案し,実際のjoystic操作とあまり遜色ない操作パフォーマンスが得られることを明らかにし,Google Mapsの実用的な操作に有効な手法であることを示した。人の手の動きを計測するセンサで手の動きを計測し,そのデータをネットワークで伝送してロボットアームを制御する初期段階の遠隔支援の枠組みについても開発も進めている。また,画像データに対して,画像理解の一種であるImage captioning(画像説明)の技術を利用したシステム開発も進めており,画像の説明やシナリオ生成に向けた基盤システムの構築を進め,今後のシステム融合に備えた開発研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度で,要素技術の開発等が主な取り組みになるため,論文や学会発表の成果物は多くはないが,要素技術開発は進行しているため。また,新型コロナの影響により特に被験者による実験の実施に制約がある状況であるが,進展は見られるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,発話や視線動作等のデータ取得と蓄積・解析を継続するとともに,意図の推定やシナリオ生成の枠組みのモデル化を検討する。また,Image captioning(画像説明)の技術を利用した画像理解システムの開発など,シナリオ生成と応用に向けた研究を実施する。その他,最終的なシステム融合を見据えた要素技術開発研究を継続して実施する。
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Causes of Carryover |
配当額に近い執行額となっており,次年度使用額は小額(1万円程度)である。新型コロナの影響により,オンラインの学会開催が主となり,旅費の支出が予定額を下回ったことなどが差額が生じた主な理由である。次年度は,研究遂行消耗品や旅費の一部として使用予定である。
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