2021 Fiscal Year Research-status Report
光学式磁界センサとゴーストイメージングを用いた三次元磁界分布情報の取得
Project/Area Number |
21K04082
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
田上 周路 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (80420503)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光学式磁界センサ / 磁界分布 / 3次元情報 / ゴーストイメージング / 誘導コイル / 電磁誘導 / 信号源推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
光学式磁界センサを用いた既存の磁界分布画像化システムと10 mm角のガラスセルをセンサヘッドに用いて,磁界分布の3次元計測に活用できる新たな画像化手法の検討を行った.従来の走査を用いた画像化では10 mm角の領域を50×50の分解能で測定するのが限界であり,それ以上の分解能での測定は測定に用いる光強度が高分解能化によって低下することが原因で不可能であった.今回,新たにゴーストイメージングの手法を採用することで,ランダムパターンからの光強度を画像化に用いることが可能となるため,従来よりも高い空間分解能で測定でき,64×64の画素数で磁界分布を画像化できることを実証した.また,環境磁界ノイズへの耐性について検討を行い,従来の走査では実験室のエアコンを稼働させた状態で磁界分布取得を行うと,画像に走査方向に沿ったストライプ状のノイズが重畳されていた.しかし,ゴーストイメージングの画像化手法を用いることでエアコンノイズの重畳が全画素に平均して重畳されるため,取得画像にストライプ状のノイズは重畳されず,画像のS/Nは低下するが磁界分布の取得が可能となった.さらに,誘導コイルを用いた電磁誘導中の磁界分布測定を実施し,誘導起電力を生じさせる磁界や,それによって生じた電流による磁界の強度や位相を比較することで,回路特性の評価が可能となる事を実証した. これらの結果は,本研究の最終目的である,高精度な信号源の三次元位置検出に対して重要な要素技術となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
磁界の3次元情報取得へ向けた検討を実施し,ゴーストイメージングの有効性を実験的に実証した.高解像度化やロバスト性といった性能に加えて,これまで観測が難しかった誘導コイル間の磁界分布測定を行い回路特性に応じた磁界情報の取得に成功した. また本研究課題の申請書へ記載した3次元情報取得に関するアイディアも計算機シミュレーションを用いて実証しており,特許取得についても準備中である. 現在構築中の3次元情報取得に用いる実験系へこれらの要素技術を組み込むことで,本研究課題の達成は可能であると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在構築中の実験系を用いて,磁界の3次元情報の取得に取り組む.30 mm角のガラスセルへのセシウム封入も実施済であり,光学系の構築および測定用の制御プログラムと3次元情報取得プログラムの構築を実施する.3次元情報取得プログラムに関しては,計算機シミュレーション上においてアルゴリズムは構築済である.
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Research Products
(6 results)