2023 Fiscal Year Annual Research Report
葉面電位データからわさびの「気持ち」を聞き入れた植物工場の環境制御
Project/Area Number |
21K04083
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平間 淳司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40181185)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物工場 / ワサビ水耕栽培 / 生体電位 / 環境制御 / 生長促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は完全閉鎖系の水耕栽培を用いながら栽培の生育環境調整が非常に困難とされるワサビ工場において、ワサビ葉の葉面電位計測データに連動したSPA型の生育環境制御方式を導入した至適栽培制御パラメータの確立である。本研究の最大の特色は、わさび工場において外的刺激環境に対する電位答特性から「わさびの持ちを知り」、「これが欲しい・ 要らない」の環境状態も常時推定して、生育速度向上を目指している。 令和5年度は最終年度であり、当初の予定通りサビ工場の中規模わさび栽培の実証試験を、ある企業と共同研究で令和5年9月に新規にスターできた。これまでの20株程度の小規模ワサビ工場での栽培ノウハウを踏襲しての最終年度での中規模実証試験は、ほぼ本研究目的の達成は十分見込まれた。現在も実証試験は継続中で有り、実用化に向けた中規模栽培により栽培株を約300として、完全閉鎖系の中型冷蔵コンテナ栽培である。すなわち、この時の至適栽培環境パラメータは、これまでに小規模ワサビ工場で得てきた環境パラメータや葉面電位データやクロロフィル 光特性等の基礎資料を踏襲しての実証試験である。本試験では、1回目の栽培において、育苗期間は1ヶ月、生育期間は6ヶ月を1クールとして、のべ4クールを見込んでいる。現在は1クール目が進行中で、収穫は令和6年5月頃を予定している。収穫後に各種生体計測、葉面電位、クロロフル蛍光などの各種SPAデータを収集して解析を予定している。また、当初からの研究計画書の案件である機能生性分のアリルイソチオシアネートの成分分析および食味等の官能検査を実施も予定している。最終成果結果は、本報告書の提出期間には掲載できない。今後、学会発表や学術論文等で公開する予定である。
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