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2021 Fiscal Year Research-status Report

ナノ粒子を用いる高感度な光学式水素センサの開発

Research Project

Project/Area Number 21K04097
Research InstitutionSoka University

Principal Investigator

関 篤志  創価大学, 理工学部, 教授 (70226629)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡辺 一弘  創価大学, 理工学部, 教授 (40240478)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords酸素センサ / ヘテロコア光ファイバ / 酸化タングステン / 白金ナノ粒子
Outline of Annual Research Achievements

タングステン酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂カラムで処理することによりタングステン酸水溶液を調製し,これを放置することにより黄色のタングステン酸(WO3)微粒子懸濁液を得た.また,塩化白金酸水溶液をクエン酸還元することにより灰色がかった白金ナノ粒子(PtNP)懸濁液を調製した.WO3微粒子懸濁液,PtNP懸濁液およびWO3-PtNP混合懸濁液に水素ガスを吹き込んだとき,およびこの後に空気を吹き込んだときの色の変化を観察した.
WO3微粒子懸濁液およびPtNP懸濁液では水素を吹き込んでも色の変化が認められなかったが,WO3-PtNP混合懸濁液は灰色がかった濃青色に変化した.空気を吹き込むとただちに元の色に戻った.これはPtNPが触媒となりWO3が水素と反応して濃青色のタングステンブロンズを生成したためと考えられる.また,空気を吹き込むと速やかにもとの黄色に戻ったのは,タングステンブロンズが酸化されて元のWO3に戻ったためと考えられる.
WO3-PtNP混合懸濁液をガラス基板上にキャストして加熱することにより, WO3- PtNP混合薄膜を形成した.これに白色光を照射し,4%水素,窒素および空気を吹き付けたときの反射光スペクトルを測定した.吹き付けていたガスを空気から4%水素に変えると,薄膜の色は黄色から灰色がかった濃青色に変化し,反射光強度は減少した.これに空気を吹き付けると元の黄色に戻った.
ヘテロコア光ファイバ表面に.WO3微粒子とPtNPの両方を同時に固定化した.これを容器中に置き,ここに空気を導入ときと水素を導入したときの伝搬光スペクトルを測定した.水素を導入すると伝搬光強度は増加し,空気を導入すると元のスペクトルに戻った.
以上の結果より,WO3微粒子とPtNPをヘテロコア光ファイバ表面に固定化することにより水素センサを作製できることが示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度は,①タングステン酸ナトリウムからWO3微粒子懸濁液の調製,②塩化白金酸を還元することによるPtNP懸濁液の調製,③これらの混合液にヘテロコア光ファイバを浸すことによる水素センサの作製,を行い作製したセンサが水素に応答することを確認した.さらにPtNP存在下ではWO3微粒子懸濁液に水素を吹き込むと濃青色に変色すること,これらの微粒子の混合薄膜では水素により反射光スペクトルが変化すること,を明らかにした.しかしながら,混合比とセンサ特性の関係については検討予定であったが検討できていない.そのため僅かではあるが当初の計画より遅れている.

Strategy for Future Research Activity

今年度はWO3微粒子懸濁液とPtNP懸濁液の混合比が,水素に対する感度と応答速度に及ぼす影響について検討し,感度と応答速度が最も適切な濃度比を検討する.すなわち,WO3とPtNPの混合比が異なる懸濁液を調製し,この混合懸濁液にヘテロコア光ファイバを浸す.懸濁液の混合比に応じてヘテロコア光ファイバ表面に固定化されるWO3とPtNPの密度比は変化するので,センサ特性を最適にする混合比を検討する.
次に,最適な混合比の懸濁液にヘテロコア光ファイバを浸した後に,ポリカチオン水溶液に浸すことによりナノ粒子層の上にポリカチオン薄膜を形成する.この後,再びWO3-PtNP懸濁液に浸す.これを繰り返すことにより,WO3-PtNP層をヘテロコア光ファイバ表面に積層したセンサを作製する.WO3-PtNP薄膜を積層することによりセンサ感度の向上が期待される.積層数とセンサ特性の関係について検討する.また,ポリカチオン薄膜の形成には,ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド,ポリアリルアミン,キトサン,ポリクオタニウムなどのポリカチオンを用いて,ポリカチオンの種類とセンサ特性についても検討する.
さらに,ポリカチオン薄膜を介してWO3薄膜とPtNP薄膜を交互に積層した薄膜の水素に対する応答性について検討する.
以上のように,WO3微粒子とPtNPをヘテロコア光ファイバ表面に3次元的にアッセンブリした構造の複合多層膜を調製し,膜構造がセンサ特性に及ぼす影響について検討する.

Causes of Carryover

コロナ禍のため計画通りに実験が進まなかったため,試薬にかかる費用が当初の予定より少なかったため,次年度使用額が生じた.
これは試薬の購入に用いる予定である.

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Published: 2022-12-28  

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