2021 Fiscal Year Research-status Report
圧縮性流体における3次元密度計測法の精度向上に関する研究
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21K04098
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲毛 達朗 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (70633999)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 圧縮性流体 / 可視化計測 / 衝撃波 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音速で移動するロケットや旅客機などにはソニックブームに代表されるような「環境問題」や「空気力学的な問題」があり,それらの原因のひとつである3次元的な衝撃波現象の解明が必要である.また,近年では医療への応用も行われており.体外衝撃波治療がおこなわれている.しかしながら,高速で移動する流体中に生じる衝撃波を3次元的かつ定量的に計測することは難しいのが現状である.そこで本研究では,3次元的な定量密度計測を実現することができる,背景設置型シュリーレン(Background Oriented Schlieren; BOS)法に着目し,従来では計測できなかった模型内などの流れ場を定量的に計測する. 現在,通常のデジタルカメラを利用して衝撃波に対するBOS計測を行うため,非定常,定常衝撃波のどちらにも対応できる光源を開発している.可視化計測に一般的に用いられる高輝度な連続光源であるメタルハライドランプを用いた場合,非定常衝撃波を計測する場合には通常のデジタルカメラでは高速で移動する衝撃波を捉えるのに十分な時間分解能を達成することが難しい.そこで短時間露光を実現するためにパルスレーザを光源として利用する場合,多波長計測を実現するためには異なる波長のレーザを複数台用意する必要があり,大掛かりな計測システムとなってしまう.そこで本研究ではLEDを用いて短時間発光が可能な光源を開発している. 現在のところ,白色LEDを計測光源とした衝撃波管を用いた衝撃波を含む非定常流れ場に対してBOS計測をおこなった.今後,紫外光,赤色光などの波長が異なるLEDを用いて計測光源を開発し,波長の差を考慮したBOS計測を実施する.そして,高時間分解能,高空間分解能の達成を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナノフラッシュランプを開発するにあたり,半導体素子が入手困難であったため光源開発が計画通りに進んでいない.そこで研究計画を見直し,BOS計測の画像処理工程の向上を先に実施している.申請時の計画では,実験結果を得られたあとに開発予定であったが,2023年度の完了に向けて問題が生じないよう研究を進められている.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度では衝撃波管を用いた計測実験より,BOS法の計測光源波長の違いによる測定差を明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
電子部品,計測機器などの入手が困難となり,見積もりの段階で納品が年度内に間に合わせることができないということで次年度での計画とする必要が出てしまった.
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