2021 Fiscal Year Research-status Report
既存制御系にロバスト性を付加する特化型補償器の包括的設計手法の構築と深化
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21K04111
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡島 寛 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40452883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信智 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10363508)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロバスト制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
制御系設計を行う場合には,対象の数式モデルに基づいて制御器の設計を行うことが一般的である.このとき,数式モデルと制御対象の動特性との間にギャップがあれば,それに起因して所望の制御性能を得られない.研究代表者は,制御対象の出力とモデルの出力の差をフィードバックすることで見かけ上の両者間のギャップを小さくする新しいロバスト制御手法(モデル誤差抑制補償器,MEC)を提案し,研究を進めてきた.本手法では,過渡特性を改善するための制御器は既存のものを使う前提に立ち,誤差抑制のみに特化するような補償器を付加する.既存の様々な制御系設計法と併用することができるため,良好な制御性能とロバスト性能の両立を簡単な設計手順で実現できる.
本年度は,非最小位相系も含む離散時間系に対しての設計理論の展開を行った.具体的には,不確かさを有する系の一つとしてポリトープ型不確かさを持つ制御対象を考え,それに対する離散時間系の設計理論を展開した.この応用で,センサやアクチュエータの周期が異なるマルチレート系への応用もやりやすくなると期待される.本年度の成果は論文の形でまとめている.
また,別の視点として,ノミナルモデルに関する知見の展開を行う目的でシステム同定に関する研究も進め始めている.ロバスト制御において必ずしもモデル集合の中央値が対象の代表値とは限らないことを陽に示していくことを目的として,将来的にはモデリングの段階から対象の特性に着目していく手法を構築したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
離散時間系の設計論の展開として,センサの観測周期が長い系に対する設計論を展開していく予定である.
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Causes of Carryover |
論文掲載費が時期にズレたため,次年度使用します.
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Research Products
(5 results)