2023 Fiscal Year Research-status Report
既存制御系にロバスト性を付加する特化型補償器の包括的設計手法の構築と深化
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21K04111
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡島 寛 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40452883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信智 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10363508)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | モデル誤差抑制補償器 / マルチレート制御 / ロバスト制御 / 線形システム制御 / 非周期サンプル値系 / 周期時変システム / 周期時変制御 / 線形行列不等式 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、モデル誤差抑制補償器のマルチレート系に対する展開を中心としてセンシング環境に関するロバスト化手法の研究を進めました。 これにより、システムを扱える範囲を拡張しております。マルチレート系を取り扱う目的で、周期時変システムのサイクリング表現についての研究を進めました。この枠組みを利用することで設計問題をより数値最適化の観点で扱いやすい線形行列不等式問題として表現することができます。前年度の成果を受けて、当初の目的が2023年度までの遂行であったものが更なる発展を遂げ、予想以上の成果を得ることができました。また、マルチレートだけでなく、非周期サンプル値系の枠組みでのモデル誤差抑制補償器の研究も進めることで、より広いクラスへと適用範囲を拡大しています。 本研究成果については、学会において発表しております。昨年度、本申請研究に派生した形でマルチレート制御系の新たな着想を得たことから、引き続き研究成果として大きな研究進捗がありました。特に、周期時変系の設計理論だけでなく、周期時変系のアプローチを拡張していくことによりシステム同定理論の展開を見越した研究を推し進めることができております。学術論文としての執筆も含め、本年度の研究成果は想定以上の結果となりました。 これまでの成果を広くYouTubeやX(旧Twitter)などを含めた広報により広めることを進めております。今のところ大きな広がりを見せてはいませんが、着実にモデル誤差抑制補償器の有用性は知られてきており、引き続き広報を進めることで研究として産業界に影響を与えれるように推し進めていきたいと考えております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたモデル誤差抑制補償器の設計論やモデル構築の手法から派生した研究成果として、周期時変システムのシステム同定法を開発しています。この成果が、非常に有益になることが想定されることから、当初の計画以上に進展している旨を記載しております。 また、非周期サンプル値系についてのモデル誤差抑制補償器の適用についても研究を進めており、十分な知見を得ました。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を進めるにあたり、モデル誤差抑制補償器内に設置するモデルの効用を検討する部分がこれまで不十分であることから、本年度はそちらに重点を置きたいと考えております。また、上記の進捗状況で記載したように、当初想定していなかった研究成果を得たことから、そちらの方面からも研究を進めていき、”どのようにして適切なモデル導出を行うか?”について研究を進展させたいと考えています。
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Causes of Carryover |
当初予定していた出張がなくなったため次年度に繰り越しをお願いします。研究論文の掲載料およびMATLABの利用料に充当予定です。
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