2021 Fiscal Year Research-status Report
Safe Cooperative Control of Mobile Robotic Networks Based on Control Barrier Functions
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21K04113
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
伊吹 竜也 明治大学, 理工学部, 専任講師 (30725023)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 制御工学 / モバイルロボティックネットワーク / 協調制御 / 制御バリア関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,当初の研究計画で掲げていた3つの諸問題について,順調に成果を挙げた.まず,課題(a):「円形・球体以外の形状のロボット群に対する分散型衝突回避則の提案」では,楕円(体)形状を有するロボット群に対して,2種類の衝突回避制御手法を新たに提案した.特に,提案手法では,楕円(体)形状を扱う上では欠かせないロボットの2(3)次元上の姿勢を陽に考慮した新規の制御バリア関数を設計しており,そのうちの1つは当初期待していた制御バリア関数の幾何学的解釈が容易なものとなっている. 課題(b):「3次元特殊直交群(SO(3))上の制御バリア関数に基づく安全性を考慮した協調制御問題の考察」では,個々のドローンが無理な制御要求に応える際に機体を大きく傾けることにより墜落の危険性が生じることを考慮した,過度な姿勢変動抑制手法を新たに提案した.特に,提案手法では,研究代表者が独自に考案したSO(3)上の制御バリア関数を用いている. 課題(c):「制御バリア関数に基づく学習型衝突回避則の提案」では,単体ではあるが一般の非線形システムに対して,機械学習の一手法であるガウス過程回帰に基づく安全性を保証する新たな制御バリア関数の設計手法を提案した.さらに,モバイルロボットの制御に関する応用例として,ドローンモデルを考え,飛行地点の観測データに基づく危険領域の飛行を回避する制御手法や障害物回避手法を提案した. 以上の本研究課題の主な研究成果に加えて,研究代表者の先行研究である制御バリア関数に基づく分散型群れ制御手法の改良や,一般的な非線形システムで表現されるマルチエージェントシステムに対する,一般的な安全性の表現方法を用いた分散型安全保証手法の提案にも着手した.これらの研究成果について,複数の学術論文に投稿中であり,既にその一部が条件付き採録となっていることから,学術的意義が認められている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度は,主目的である制御バリア関数に基づく安全性を考慮したモバイルロボティックネットワークの協調制御理論の構築に向けて,当初の計画の通り3つの諸問題について順調に成果を挙げた.さらに,関連研究として当初想定していなかった複数の制御問題に着手し,新規の制御手法を提案できたことから,本研究は当初の計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
制御バリア関数に基づく安全性を考慮したモバイルロボティックネットワークの協調制御理論の構築に向けて,引き続き課題(a):「円形・球体以外の形状のロボット群に対する分散型衝突回避則の提案」,課題(b):「3次元特殊直交群(SO(3))上の制御バリア関数に基づく安全性を考慮した協調制御問題の考察」,課題(c):「制御バリア関数に基づく学習型衝突回避則の提案」の3つの主要課題に並行して取り組む. 課題(a)では,楕円・楕円体以外の形状をもつロボット群に対する衝突回避問題を主に考察する.特に,複数の線形拘束を組み合わせることで表現可能な多角形・多面体形状を扱う.課題(b)では,研究代表者の先行研究の成果である球面上のロボット群の衝突回避則の応用として,ドローン群の衝突回避を保証した協調貨物運搬制御問題を主に考察する.課題(c)では,前述の単一のモバイルロボットに対する成果をモバイルロボティックネットワークの学習型安全保障手法に拡張することを目指す. 以上の内容および既に提案している制御手法について,実機実験による有用性検証も行う.
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Causes of Carryover |
2021年度に計画していた実験環境の構築,および実験検証を行うことができたため.2022年度の予算に合算してさらなる実験環境・実験機の改良を行う.
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Research Products
(8 results)