2021 Fiscal Year Research-status Report
身体の重心バランスと個々人の筋特性を考慮したFES立ち上がり補助システムの構築
Project/Area Number |
21K04114
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 宏之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70410298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 研二 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (40314364)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 立ち上がり運動 / 機能的電気刺激 / リハビリシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,脳卒中や脊髄損傷を患い下肢の運動に障害を抱える人の残存する筋の筋力維持と運動特性の向上ならびに身体のバランスを鍛えることを目指し,機能的電気刺激(Function Electrical Stimulation,以下FESと呼ぶ)を用いた下肢リハビリテーションシステム(以下,下肢リハビリシステム)を提案することである.
本年度は,健常者と比べて十分な筋力を有していない非健常者が使用出来るように, 免荷と転倒防止を兼ね備えたパンタグラフ機構の立ち上がり補助機構を製作しハードウェア的なシステムを構築した.具体的には,被験者に合わせて0~33kgの間(5.5kg刻み)で調整可能な免荷用のカウンターウェイトと被験者の転倒時にロックがかかるハーネス用ランヤードを設置したことと併せて機構全体の強度の向上をおこなった.一方,ソフトウェア面においては,カメラと骨格を推定するOpenPoseを用いて,上体の姿勢をリアルタイムで推定するシステムを構築した.その際,筋刺激装置と制御則を実装している制御システムと上体推定システムの間の情報のやりとりはUDP通信を用いて実現した.姿勢の推定はおこなえているが,推定のサンプリング周期が制御のプリング周期に比べて遅いため,推定情報を制御ループに組み込むには課題がある.また,個々人の筋力比率を学習制御に基づくパラメータ更新則により推定する制御系設計法を構築するための準備として,学習制御則を用いたペダリング運動の実施,筋特性を再現するためにMATLAB/Simulinkを用いたシミュレータの検討をおこなった.
上述した成果の一部を論文としてまとめて投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能的電気刺激を用いた立ち上がり運動を補助するシステムについては,ハードウェアの面では問題がみられず,ソフトウェアの面では若干の課題が残っているがおおむね構築した装置が予定したように稼動している.モデル化を含めた制御則の提案についてはMATLAB/Simulinkを用いたシミュレータの構築と併せて検討をおこなっているため,おおむね計画通りに進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
上肢の姿勢を含めた立ち上がり運動のモデル化をおこない,筋刺激を用いた制御則による理論的な安定性解析をおこなう.そして,構築したシステムに実装し有用性の検証をおこなう.併せて,引き続きシミュレータの構築をすすめ,筋特性の再現や個々人の筋力比率を推定する制御系設計法の検討をおこなう.
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Causes of Carryover |
購入予定であったソフトウェアが既存システムに対応しない可能性があったため購入を見送った.現在,既存システムの入れ替えを新たなに検討しているため,その分の予算を次年度に使用する予定である.
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