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2021 Fiscal Year Research-status Report

メタボロミクスを用いたナノ秒パルス電界による生体代謝制御技術の開発

Research Project

Project/Area Number 21K04116
Research InstitutionSasebo National College of Technology

Principal Investigator

越村 匡博  佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (80610310)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山崎 隆志  佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20270382)
猪原 武士  佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (30634050)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsナノ秒パルス電界 / エレクトロポレーション / 生菌数
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度は,実験対象とする出芽酵母に正確に印加するための装置を設計・作成した。出芽酵母懸濁液を入れる容器は市販されているエレクトロポレーション用キュベットとし,アクリル板を加工してキュベットホルダーを作成した。エレクトロポレーション用キュベットは複数の電極ギャップのものが販売されており,今後ナノ秒パルス電界(nsPEF)を印加する対象が細胞などに発展した場合においても異なる電極ギャップのキュベットを使い分けることで対応することが可能となる。本装置を用いて,パルス幅および繰り返し周波数を固定し電界強度5~11,15,20 kV/cmの条件で一分間連続的にnsPEFを印加した後,出芽酵母懸濁液の生菌数の観察と濁度(OD値)の経時変化を測定した。メチレンブルー染色法による生存率の算出では,nsPEFを印加しないコントロールの生存率が約80.44%であったのに対し,電界強度を大きくするほど生存率は低下する傾向にあることが分かった。特に電界強度15 kV/cm,20 kV/cmではそれぞれ約6.87%,3.05%と大きく低下した。OD値の測定では,いずれの電界強度においてもコントロールと比較して最大値が大きく低下しており,電界強度15 kV/cmおよび20 kV/cmにおいてはOD値の上昇があまり見られなかった。これらの結果より,15 kV/cm以上の電界強度では出芽酵母が死ぬ割合が高くなることが分かった。一方,生菌数の割合がコントロールとほとんど同じである電界強度において最大OD値が低くなっていることから,nsPEF印加による出芽酵母の増殖抑制が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

市販品のエレクトロポレーション用キュベットを利用し,実験装置を安価に作成することができた。nsPEF印加が出芽酵母に与える影響の検討については予定以上に進行し,細胞増殖の測定についてまで進めることができた。これは令和4年度に予定していた研究を含んでいる。メチレンブルー染色法による生存率の算出により,15 kV/cm以上の電界強度では細胞死する割合が大きく増加することが分かった。また,生存率の算出とOD値の測定により,細胞死への影響がほとんどない電界強度において増殖抑制が確認された。

Strategy for Future Research Activity

nsPEF印加による細胞死が明らかとなっているため,これが電気穿孔の結果生じた膜損傷によるものか確認するために膜透過性測定を行う。また,糖50 g/Lから生成されるエタノール量をガスクロマトグラフにより定量分析を行う。これにより,nsPEF印加と細胞膜損傷およびエタノール生成能の相関について検討する予定である。

Causes of Carryover

物品購入費が当初予定額より低く抑えることができたため,余剰分が生じた。また,新型コロナ感染症拡大に伴い,出張旅費がほとんど発生しなかったことも,余剰分を生じさせた。次年度は当初予定していた物品購入とともに,オンラインを活用した学会発表を積極的に行う。

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Published: 2022-12-28  

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