2022 Fiscal Year Research-status Report
適用対象と制御方式の拡大に向けたデータ駆動型制御法の開発
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21K04123
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
若佐 裕治 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60263620)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | データ駆動型制御 / 非線形要素 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主に線形システムを対象として開発されているデータ駆動型制御法に対して、制御系設計における代表的な非線形要素である不感帯、飽和、ヒステリシスなどが制御対象に含まれる場合にも統一的に良好な制御性能を達成できるよう、制御法の適用対象の範囲の拡大を検討する。また、近年進展が著しい深層学習の要素技術を応用して、高速モデリングが可能な非線形要素モデルの表現形式を開発するとともに、データ駆動型制御法の適応制御、ロバスト制御、分散制御への拡張により、このアプローチを充実させ、体系化を図る。
本年度は、まず制御系における典型的な非線形要素を表現可能な、簡易ニューラルネットワークの開発を検討した。とくに、非線形要素として、不感帯を特別な場合として含むヒステリシスを扱い、これを深層学習分野で近年よく用いられる正規化線形関数を活性化関数とするニューラルネットワークで表現し、高速にモデリングするための基礎的な方法を提案した。この結果を第31回計測自動制御学会中国支部学術講演会において発表した。また、近年通信ネットワークを介して分散化された制御システム環境への対応が必要となってきているが、その対応策の一つである事象駆動型制御に対して、データ駆動型制御法を組み合わせることによって、制御対象のモデルを用いることなく、入出力データのみから、状態フィードバック制御系を構成する方法を提案した。この結果をSICE Annual Conference 2022において発表した。さらに、機械学習分野において非線形性を扱う際に有効性が認められているカーネル法を応用して、制御系における非線形要素を統一的に表現し、最適制御をベースにしたデータ駆動型制御の枠組みで、非線形要素の推定と制御系の制御を行う手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の2年目である本年度は、データ駆動型制御法の適用対象と制御方式の拡大に向けて、事象駆動型制御への展開、正規化線形関数を用いた非線形要素の簡易表現の提案、カーネル法に基づく非線形要素の推定など、いくつかの方向からの検討を行った。得られた結果を学会において研究発表しており、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究結果に基づいて、より汎用性の高い非線形要素の表現法やその高速な推定法、ノイズを考慮したデータ駆動型制御法、分散モデル予測制御への展開などを検討する。また、制御実験システムの更新や新規作成を進める。
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Causes of Carryover |
学会参加の予定が変更になったことなどにより、未使用額が生じた。未使用額は次年度の学会参加費に充当するとともに、制御実験システムの構築に必要な各種部品の購入や、シミュレーション用ソフトウェアの追加購入にも充当する予定である。
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Research Products
(9 results)