2021 Fiscal Year Research-status Report
並列フィードフォワードを併用するスマート制御システム構築に関する総合的研究
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21K04126
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
水本 郁朗 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30239256)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 適応制御系 / 並列フィードフォワード補償器 / 概強正実性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,モデルベースドに設計される適応的制御系およびモデルフリーなデータ指向的制御系に関して,これまでの研究成果を拡張・融合する形で,必要なPFCの適応的かつ汎用型の設計法の構築を行うものである.本年度は,研究開始の初年度であり,初めに,概強正実正に基づく適応制御システムの体系化を目指し,これまでの研究成果を拡張する形で体系化の基礎となる基本的設計法の基礎的かつ理論的な研究を行った.具体的には,以下の理論的な検討を中心に概強正実性に基づく適応制御システムの体系化を図った. (1)対象システムの概強正実化を実現するために必要不可欠な並列フィードフォワード補償器(PFC)の適応的設計法の体系化を図り,適応制御系設計法の適用範囲の拡大を図った..特にこれまで安定系に対して提案されていた適応PFC手法の不安定系に対する設計法の理論的検討を行うことで,より広範囲なシステムを対象とした適応制御系設計法の構築を行った. (2)さらに,データ指向的手法への拡張への検討を行った.蓄積された操業データを基にしたモデルフリー制御系設計法の概念と適応制御手法の原理を融合させ一般化を図る準備として,CMAC(小脳演算モデル)やカーネル法などを取り入れた,よりスマートな適応手法への拡張を行い,その理論的な検討を行った. 主な研究成果は,英文学術誌3編,国際会議Proceedings3編にまとめられており,さらに国内会議2件で発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的は,基本的に最終的な研究目的を達成するための理論的検討を行うことである.具体的には,(1)並列フィードフォワード補償器(PFC)の適応的設計法の体系化,(2)データ指向的手法への拡張討,に関して基礎的かつ理論的な検討を行うことであった.これらの本年度の研究目的に対し,研究実績の概要で示したように,計画通りの理論的検討を行い,次年度以降の研究進展のための新しい知見が得られたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降は,本年度に検討を行った概強正実正に基づく適応制御システムの体系化の基礎となる基本的設計法の基礎的かつ理論的な検討結果を拡張する形で,スマート適応制御システムの体系化を目指す. 特に,PFCを有する種々の制御系設計法の再検討を行う.具体的には,以下の点に重点を置き検討する. (1)1年目で検討した適応型PFC を有する種々の制御系設計法の再検討を行い,適応出力フィードバック制御のみならず,予測制御,アンチワインドアップ制御等PFC を併用することで実現できる制御手法の再検討を行う. (2)AI(深層学習や機械学習)さらにはカーネル法などを用いた操業データに基づく制御系のモニタリング・性能評価システムの開発を行い,開発した評価システムに基づいた制御系再設計手法の構築を検討し,モデルベースド設計とデータに基づくモデルフリー設計を融合させたスマート制御システムの体系化の実現を目指す. (3)本研究で構築するスマート制御システム設計法手法の有効性および実用性を実験室レベルの実験装置により検証する.
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Causes of Carryover |
当該研究に関する成果発表・資料収集旅費として50万円を計上していたが,コロナの影響で旅費を使用しなかった. 次年度使用分は引き続き成果発表・資料収集旅費として使用する予定である.
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