2023 Fiscal Year Research-status Report
液体プロセスによる新規低温半導体表面及びカットエッジパッシベーション
Project/Area Number |
21K04134
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鮫島 俊之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 産学官連携研究員 (30271597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 加熱水 / ライフタイム / 再結合速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、高品質デバイス作製において極めて重要な課題である半導体の表面パッシベーションを低温で効率よく行う手法の開発を目的として立案 された。活性で欠陥の多いシリコン表面及びシリコン基板のカットのパッシベーションの実現を主たる目的とする。本目的達成の為に加熱水を用いた低温にして かつ簡便なパッシベーション手法が発案された。3年の計画の3年度は①単結晶シリコン基板のカットエッジのパッシベーションと②単結晶シリコン基板を試料に用いたMOS界面のパッシベーションの準備が計画された。①研究計画に基づき、100nm熱酸化膜コーティングされたn型 (100)面方位の単結晶シリコンを劈開カットして加熱水処理を行った。機械的カットによりカット面に欠陥が発生し、小数キャリヤ再結合速度が2000cm/sと大きくなったことを確認した。そして加熱水処理により欠陥の低減に成功し、小数キャリヤ再結合速度を50cm/sに低減できた。本成果をJJAPにて出版した。さらに、加熱水処理の最適化により、さらに最適化の検討を行い、小数キャリヤ再結合速度を46cm/sまで低減できた。残念ながら紫外線照射のパッシベーション効果は未だ確認されていない。②研究計画に基づき、MOSキャパシタのC-V測定を可能にする高周波キャパシタンス測定装置を作製した。装置の構成は試料を設置して閉回路を形成するためのプローバー、バイアス電圧を印加して高周波変調電圧を重畳するSMUキャパシタンス測定器とこれをコントロールするソフトウェアからなる。現在測定条件の最適化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に沿ってプロジェクトを実施し、現在までの進捗状況は以下の通りである。①n型 (100)面方位の単結晶シリコンを劈開カット面の加熱水処理を詳細に検討し、小数キャリヤ再結合速度を2000cm/sから46cm/sに低減する成果を得た。本成果をJJAP論文にした。しかし、紫外線照射のパッシベーション効果は未確認である。⑤MOSキャパシタのC-V測定を可能にする高周波キャパシタンス測定装置を組み立てと調整を進めた。2023年までに完了しなかったので、研究期間の1年延長を申請し、現在測定条件の最適化を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
①単結晶シリコン基板を試料に用いてシリコン表面及びMOS界面のパッシベーション最適化を検討する。②加熱水表面パッシベーション後SiO2膜を形成してMOS構造の形成を検討する。
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Causes of Carryover |
MOS界面のパッシベーション検討を続けるために、2024年度1年間の研究継続申請を行った。助成金は研究継続期間中に執行する計画である。
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