2021 Fiscal Year Annual Research Report
m-plane GaN epitaxial growth and lattice strain enable high-speed 2D hole gas transistor
Project/Area Number |
21K04138
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀬奈 ハディ 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究員 (40784674)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 窒化ガリウム(GaN) / GaN HEMT / m-plane GaN device / light hole |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では第五世代移動体通信システム(5G)実用化に向けて、高出力・高効率に優れるGaN HEMTの開発を試みた。そのため、m軸方向成長が必要であるが、c軸方向成長と違って確立された手法ではない。m軸方向成長ではc軸とa軸方向における異方性によりアドアトムの移動度に差が生じる。そのため、まずはV/III比や成長温度・圧力といったファクターを決定する必要があった。(m面基板は助成金で購入した) c軸に圧縮ひずみをかけ2DHGの有効質量を軽くすることは本研究の最大の目的でもあるが、AlGaNのAl組成がひずみの量を決定した。ここで、Al 組成によるひずみ量と2DHG有効質量の相関を調査するとともにシミュレーション結果との違いについても検証した。一方、GaN基板上で直接AlGaN/GaNをエピタキシャル成長させるとAlGaN層は GaN基板から引っ張りひずみを受け、クラックが発生した。クラック抑制にはAlGaN/GaNの超格子構造のバッファ層を形成した。クラックを確実に抑制するためにはまず6層のAlGaN/GaN超格子を交互にバッファ層として成長させた。サセプター温 度を650°Cから750°Cの間で最適条件を探索した。その後、温度を1100°Cに上昇しAlGaN膜とGaN膜をそれぞれ100nmと10nmを形成した。AlGaNはMgによりp型ドープした。形成した膜の状態を微分干渉顕微鏡、白色光干渉顕微鏡や原子間力顕微鏡により観察し、表面トポグラフィー や表面粗さを評価した。この構造をデザインしたことで顕微鏡像ではヒロックやクラックが発生しないことが確認できた。また、この構造でデバイスを作製し、電気特性も測定した。ホール測定の結果、予想と反してp型ではなくn型半導体素子になっていることがわかった。これはMOVPE中に意図しない不純物が導入され、ドナー準位を形成したためと考えられる。
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