2023 Fiscal Year Research-status Report
半導体微小機械共振器中のモード間結合効果の解明と超高感度テラヘルツ波検出への応用
Project/Area Number |
21K04151
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
張 亜 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80779637)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | MEMS共振器 / モード間結合 / 非線形効果 / テラヘルツ検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は、MEMS共振器におけるモード間結合効果の定量化解析を中心に行った。2つのモード(表現しやすいため、モードA・Bと呼ぶ)の間の結合強度を評価するために、モードAを励起し、その振動による生じたモードBの共振周波数変化を測定した。この共振周波数変化(モードB)の振動振幅(モードA)の依存性を用いて、モードA・Bの間の結合強度を定量的算出した。また、MEMS梁に熱応力を加えると、梁は座屈状態になるが、測定されたモード間結合強度は、基本曲げモード(モードA)の非線形係数と明らかに同じ変化傾向を示していた。このことは、モード間結合効果はモードの非線形係数と強く関係することを示唆している。 上記の現象を解明するために、我々は、振動中の梁の伸びることによる生じた共振周波数シフトに注目し、モード結合効果の数理的なモデルを構築し、実験結果と一致する理論値を獲得した。これによって、モード間結合強度の起因する物理的機構を理解し、また、結合強度とMEMS梁の非線形性の定量的な関係性を解明した。また、熱応力をMEMS梁に導入することで、MEMS梁の振動の対称性を崩れ、モード間結合強度を大幅に変調することを実現した。上記のように、本研究は、MEMS共振器におけるモード間結合効果の原理を解明し、応用に特異的な結合強度を実現する方法を提供したため、モード間結合効果の研究に大きく貢献すると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験の補助を担当する学生の卒業の関係で、一部の実験が予定より遅くなった。現在、その実験も完成したが、成果の発表はちょっと遅くなっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究成果を論文化し、論文誌や国内外の学会に発表することよって研究成果を広報する予定である。
|
Causes of Carryover |
理由:研究成果の発表が遅くなったため、計画中の旅費および論文掲載料を使い切っていない。 使用計画:国内・国外の学会に参加するための旅費、および論文掲載料として使用予定である。
|
Research Products
(12 results)