2022 Fiscal Year Research-status Report
100MHz動作を狙ったサブミクロン軟磁性微粒子内包アルミナテンプレートの創成
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21K04162
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 直幸 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (90249813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 恭 東北大学, 工学研究科, 教授 (50335379)
石飛 学 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (60390481)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポーラスアルミナ / パワーインダクター / 高周波電源 / 磁気異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,100MHz帯で動作する次世代のスイッチング電源が必要とされているが,インダクタ用磁性材料の開発が遅れている。高周波下で高い透磁率を維持させるためには,反磁界や渦電流を抑制する必要がある。そこで,本研究では,ポーラスアルミナテンプレートのサブμmの孔に磁性微粒子を内包した新規磁性材料を提案し,マイクロインダクタへの応用を目指している。 令和4年度は磁性微粒子の充填率を80%以上にすることを目標に,ポーラスアルミナテンプレートの孔占有率の向上に取り組んだ。特に,陽極酸化後のアルミナの孔径を拡大するエッチング工程時に隣り合う孔が結合する問題を解決することに注力した。 エッチングで孔が結合するのは,孔の配列が不規則であることに起因しているため,高規則化したアルミナテンプレートを得ることを目的に以下の1)~3)の取り組みを行った。 1)Alの表面の傷にアルミナの孔の配列が影響されないようにするためにAl素地表面の平滑化を検討した。その結果,円柱状のAl棒を電解研磨することで,光沢のある表面が得られることが分かった。2)二段階アノード酸化法により,高規則化したアルミナの作製を試みた。1回目のアルミナ膜が作った規則正しい凹凸に従って2回目のアルミナ膜が形成されるため,アルミナの規則化が進んだ。3)シュウ酸にリン酸を加えた溶液を使うことで,孔の高配列化が実現できることも確かめられた。その結果,電解研磨したAlを使って,二段階アノード酸化すれば,60分のエッチングで孔占有率約77%を示すアルミナテンプレートが得られることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
80%の孔占有率を示すポーラスアルミナを得る条件を見出すことができ、おおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
軟磁性を示す金属を電析し、高周波透磁率の評価を行う。 また、安定して80%程度の孔占有率が得られる条件を見出す必要があるので、溶液組成、電圧、電極配置、前処理、エッチング条件などの検討を行う。
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Causes of Carryover |
効率的に実験を行うことができ、試薬の使用量などが節約できた。また、ハイブリッド開催された学会もあり、オンライン参加により旅費が節約できた。
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Research Products
(3 results)